ふと思い立ち、福岡のTHE PINBALLSライブへ行くことに。

(私の中では)日本を代表するロックバンドの一つであるTHE PINBALLSが、メジャー初となるフルアルバム『時の肋骨』をひっさげて行う全国ツアー「end of the days tour」が始まっている。

ツアーファイナルとなる恵比寿LIQUIDROOMのチケットはすでに確保済みだが、おとといあたりに思い立ち、福岡Voodoo Lounge公演にも参戦することにした。我ながら身軽。

北の大地を故郷にもつ私としては札幌DUCE公演も捨てがたいところだったが、昨年の「Leap with Lightnings tour」で故郷のライブは経験済み。わざわざ遠出するなら新天地だろうと。正月に続いてまたまた弾丸帰省するというのもなんだかなあ、ですし。

THE PINBALLSを知ったきっかけは、Youtubeの「tenbear」のPVだったと思う。何の気なしに再生したそのPVの、若手バンドにしては珍しいストイックな映像、the birthdayっぽいガレージロックの音、黒いスーツ風のスタイルで統一されたファッションが、なんだか良いと感じた。まだファンになるまでは至らずとも、そのサウンドが頭に引っかかって離れず、音源を探した。

当時はまだインディーズのミニアルバム「ten bear(s)」と「100 years on spaceship」までしか出ていなかった。その激しさと叙情性が共存する音と、まるで映画のようななんとも言えない情景を想起させる独特の歌詞世界には深く惹かれた。特にグッときたのは"ニューイングランドの王たち"。今の位置付けは「初期の名曲」といったところだが、ライブで聴ける機会が望外に多くてとても嬉しい。

そして、3rdミニアルバム「ONE EYED WILLIY」の発売に先駆けて公開されたMV"片目のウィリー"の前奏のギターを聴いた瞬間、THE PINBALLSというバンドに完全に心を持っていかれた。それから今に至るまで、彼らの音を追い続けている。

前々から行きたいと思っていたが、九州は初めてだ。初めての地で聴くピンズのライブは、またいつもとは違った雰囲気を纏うかもしれない。

日常を離れたまっさらな環境にとびこむ旅行は、日々の習慣と雑念のなかに埋もれがちな何かを掘り起こす作業でもある気がする。まあ国内で、それも都会の福岡旅行では、ただただ東京生活の延長におわってしまう危惧もあるのだけど。出来るだけ、いつもは見ないような景色を見よう。日常を楽しむための、ひとときの逸脱。ロックンロールのライブのような旅行をしたい。


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