Eyelet 006 Allen Edmonds の数字のおはなし
靴の数字について
本日は靴の数字。靴にまつわる、というか、靴に書いてある数字(と文字)の話です。品物には名前や型番だったり、またサイズだったりと、なんかしらの数字と文字があります。靴もまたそうですね。今回はそうした表示についての話題です。
靴の表記はサイズだけじゃない
靴に興味がなかった頃は、サイズ以外の表記を知りませんでした。興味を持つようになってからまず覚えたというか知ったのはUKサイズ、USサイズ。ついで、width = 幅。その頃まではなにも思わなかったのですが、足の形人によってまちまちです。なので、長さ以外にも要素があるわけです。ですが、それまで、そんな選び方したことないわけなので、初耳。”EE”とかいう表示はなんかみたことあるようなないような。
そうして、Allen Edmonds 製の靴を初めて履いた時に、自分のサイズが、USで、7Dから7.5D位だということを知りました。日本サイズだと、25cm位で、幅がちょっと細身の足です。
ひとつ前の Eyelet 05 で靴の中の表記を掲載しましたが、靴の記載はサイズだけじゃないんですよ。メーカーにもよるんですが、スタイルナンバーだったり、製造年に関する記載だったり。今回は、Allen Edmonds の表記について紹介したいと思います。
Allen Edmonds の表記
下の図が、靴の内側の側面の表記です。Eyelet 005で紹介した Colton のものです。
7 1/2 D 51556
3330 2084
と、4つのブロックになっているのがわかると思います。
◆左上:サイズ
靴のサイズです。7 1/2 D。
◆右上:????
このブロックまったくわかりません。
◆左下:スタイルナンバー
靴の型番を示しています。3330が、この靴(Colton)の型番です。後述しますが、一番右の「0」は、ラストを表し、右から2番目の「3」は色(と革種)を示すものです。
◆右下:製造に関する番号
4桁のうち、一番右の数字は、製造年の一桁目を表しています。
Allen Edmonds のカタログ
全てではありませんが、Allen Edmonds のカタログは、"issuu" (https://issuu.com/) というサイトに掲載されています。Google 等で、「Allen Edmonds カタログ」と検索すると、トップにカタログ一覧のページがリストされます。 Allen Edmonds 社が、載せているようで、一番古いカタログで、1954年です。
さて、先ほど右下の数字は、製造年の一桁目を表示してると書きました。"2084" の ”4” ですから、XXX4年の製造です。この靴を買ったのは、2011年頃でしたから、それ以前の末尾4年、2004年とあたりを付けます。
2004年のカタログ(https://issuu.com/allenedmonds/docs/fall-2004-catalog)を参照しますと、6ページに掲載されています。
茶色の外羽セミグローブ。
3310 Black Custom Calf
3330 Chesnut Burnished Calf with natural sole edge
(shown)
Single oak leather sole SIZE CHART #1
との説明です。"3330" は型番ですので、私の靴は、チェスナットカラーの「Colton」ということがわかりました。
その上の "3310" は、ブラックカスタムカーフ製の「Colton」です。なので、十の位は、色と革を示すものとわかります。ちなみに、ややこしいのですが、"1" = 黒のカスタムカーフ、"3" = チェスナットカーフというわけではありません。型番というか靴ごとに数字が表す色と革は異なります。もちろん同じ場合もあります。
Allen Edmonds の年代
さて、右下のブロックの数字の一桁目が、製造年の一桁目を示すと書きました。私も最初は、インターネットで「アレンエドモンズ 年代」などと検索して知った内容です。どこかのサイト(調べたら NOS w/box さんの、「アレンエドモンズ(斜体期後半~)の年代判別 *追記あり*」の記事でした。)で読んだのですが、どうもこれはオフィシャルな情報ではないそうなんです。Allen Edmonds 社のカスタマーサポートに靴の番号を添えて問い合わせると、その靴の情報(名前とか製造年とか)が帰ってきます。で、沢山問い合わせた結果、ほぼすべての場合に、その一桁目の数字と、製造年の一桁目が一致してたそうで、だからそうじゃなかと推測した方がいて、それが広まったらしいんです。(もしかしたらオフィシャルにそういう情報が出てるかもしれませんが。)。なわけで、「定かではないけれども、おそらくはそうなんだろう」というのが正確な表現かもしれません。
Allen Edmonds のラストの話
左下のブロックの型番のうち、一桁目は、ラスト(木型)を示すと書きました。この話はオフィシャルな情報です。先のissuu の2004年のカタログの27ページ目に、"Lasts" と題された項目があります。
その上の表記の記載を見てみましょう。
中ほどに、
"To identify the last for welted shoe styles, note the final digit of the style number. It corresponds to the last it was crafted on."
と書いてあります。適当に訳しますと、
「靴のラストを識別のために、型番(style number)の最後の一桁目に記載しています。この数字は、その靴が作られたラストに対応します。」
というわけで、「型番の一桁目はラストを示す」というのは、オフィシャルな情報なです。
ちなみに、これは2014年くらいまでで、それ以降(おそらくは合併以降)は、ラストを示さないケースも出てきます。おおざっぱな識別ですが、型番が、靴の内側側面に記載がある場合は、一桁目 = ラストですが、タン裏にある場合は、必ずしもそうではないようです。これについては、タン裏記載の靴を紹介するときに触れようと思います。
まとめ
今回は、Allen Edmonds 製の靴の番号について記載しました。年代判別と、ラスト表記は覚えておいて損はないかと。また、Allen Edmonds のカタログは他にもいろいろと情報が載っています。当時の靴を眺めるついでに読んでみるのも楽しいかと。
[補足] 本ブログについて
久しぶりに書きました
(もともとはこの部分、この記事の冒頭にあったのですが、よくよく考えたら、定期購読者がいるわけでもないのに、実は3年ぶりとか言われてもあれなんで、一番下に持ってきました。)
久しぶりになんか、書きました。というか、この記事は3年前の下書きがありました。ずっとほったらかしてたんですね。
書き始めた頃はコロナ禍で、なんか、もっとこう、自分の靴を紹介したり、いろんなトピックを書こうと思ってました。なんですけど、三日坊主。5回書いたところで、いろいろと文章考えて、靴の写真も撮ってきれいにとか思うと面倒に。また、見出しに使っている、Eyelet XXという表記。これを、靴の記事の場合は、"Eyelet" 。それ以外の場合は、別の採番("Tip" とか "Perforation")にしようかななどと、どうでもいいことに悩んでいたというのもあります。あと、いつか書こうと思っていた記事内容 が Twitter だか、ブログだかで既に紹介されてたのを見てしまって、なんかモチベーションが下がったということもありました。
なんですけど、これまでほったらかしてたことが、心のどこかにひっかかっており、やっぱり持ってる靴をもう少し紹介したい(見せたいというかちょっと見せびらかせたい)、知ってることは書いておきたいというのもあり、ぼちぼちやろうかなと思い再びキーボードをカタカタしようと思ったわけです。まぁ、また三日坊主になりそうですが。
今後のブログ
記事自体これまで、数個しかないようなブログですが、ぼちぼち書こうとは思ってます。持ち靴全部とはいいませんが、記事にしたい靴はいくつかあります。それ以外の、知識とか、情報、靴関連のイベントに参加した話なんかも書いていこうと思います。毎日、毎週更新されてる方を見ると尊敬の念しかありません。私の場合なんか、写真がおっくうなんですね。きれいな写真を切ったりするのがほんと面倒。最近はいろんなツールがあって便利なんですがね。ちなみに、採番は、"Eyelet" で全部統一の予定です。ではでは。