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Makuake Factory Tour研修 in 大阪【前編】
こんにちは!マクアケカルチャー推進担当の能城です。
実行者様の挑戦を深く理解し応援したい、挑戦に寄り添い成功まで伴走したい―マクアケはそうした挑戦へのリスペクトカルチャーが根付いています。しかし、実行者に伴走するキュレーター以外は実行者様の声を直接聞く機会があまりないという現状がありました。そこで、マクアケでは実行者様の現場へお伺いする社内研修「Makuake Factory Tour研修」をこのたび開始し、第一弾として大阪府八尾市に行ってきました!
「Makuake」でプロジェクトを掲載くださっている木村石鹸工業株式会社、株式会社インターナショナルシューズの二社の工場にお伺いしてきた様子をレポートします。
木村石鹸工業株式会社
大正13年に創業した老舗石鹼メーカー。家庭用洗剤・業務用洗浄剤・バレル研磨剤などの企画開発、製造を行っています。また、日本でも数少ない伝統の「釜焚き」製法で、職人が石鹸成分を一から製造しています。もともとOEM事業が中心でしたが、最近は自社ブランドも展開、『12/JU-NI(ジューニ)』というシャンプー&コンディショナーのプロジェクトや、『goomoo(グームー)』という香りと色を混ぜて自分好みにアレンジできるスクラブ剤のプロジェクトを「Makuake」でご実施いただきました。
木村石鹸工業社の本社兼工場は、八尾市の工場が立ち並ぶエリアにあります。昭和51年に設立した現在の工場には、数年前まで大きな煙突があったそうです。
本社には工場と研究室があり、それぞれ順番に案内していただきました。まずは工場内からです。
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工場は昭和51年に設立されたそうです。階段の後ろ側に見える窯で、石鹸を炊いています。(窯のレンガは、幼い頃の木村社長が積むのを手伝ったという噂があるとのこと。社員の方が教えて下さいました)
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先ほどの階段を上がった先では、職人の方が石鹸のベースになる成分を炊いていました。こちらでは「釜炊き鹸化法」という伝統的な製造方法を採用されています。石鹸を作るマニュアルはなく、経験を積んだ熟練の職人さんの感覚を頼りに製造されます。天候などによって、石鹼の状態が変わるため機械化は難しいのだそうです。
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こちらは更に階段を上がったところにある、石鹸を乾燥させるスペースです。ここでは、窯で炊いた石鹸を1週間ほど乾燥させています。その後、不純物を取り除くと、濃度の高い石鹸ができます。
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1週間乾燥させた石鹸はコーンフレークのようでした!工場内は石鹸の成分のため床や階段が滑りやすくなっており、ずっとここで石鹸が作られているという歴史が感じられました。
続いて、研究室をご案内いただきました。研究室には、商品開発のための様々な機械があります。
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こちらは菌を保管している機械です。パッケージに「除菌」「殺菌」と記載する場合、その能力を証明するために試験が必要になります。まずは自社でテストを行い、その後、第三者機関にも検査に出すそうです。
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こちらは恒温槽という機械です。高温になったときに成分が分離したり粘度が落ちたりしないかを確認するために使用します。温度は50度程に保たれています。恒温槽とは逆の役割を果たす冷蔵庫もあり、冷たい環境から常温に戻した際に品質に問題がないかを確認するために使用するそうです。どちらも石鹸を製造する上で最低限のテストだそうで、商品を世に出すまでのハードルの高さに驚きました!
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こちらは技術部で商品開発をしている社員のみなさんです。3名のうちの2名は今年入社した新卒社員さんとのこと。会社を知ったきっかけはなんとYouTube。化粧品研究などをされているYouTuberの方が12/JU-NIを紹介しているのを見て知ったそうです(時代を感じますね)。
もう1人の方は、「Makuake」のプロジェクトを見て知ったそうで、研究室案内をしていた社員さんからも、「Makuakeでプロジェクトを実施してから、優秀な人材が面接に来てくれるようになった」というお言葉をいただき、大変嬉しかったです!
見学後に、代表の木村社長に直接お話を伺いました。
木村社長が就任する前の木村石鹸は、失敗を恐れて社員が挑戦しづらい企業風土だったそうです。そうした会社のマインドを変えるため、木村社長自ら「まずやってみる」、「迷ったら作ってみる」ことを推奨し、失敗しても評価制度には反映しない、といった改革をどんどん推し進めたところ、新しいことにチャレンジする社員が増え、結果として自社の基礎研究も活発になり、会社としてもできることが増えていったそうです。
「経営陣と現場でそれぞれ責任があり、経営陣は取る責任、現場は果たす責任がある」、「迷ったらやる。やりたいと思っている人がいるなら必ずやるべき」とおっしゃっていたのが印象的でした。
最後にマクアケに期待していることを質問させていただいたところ、「『生まれるべきものが生まれ 広がるべきものが広がり 残るべきものが残る世界の実現』というVisionが素晴らしいので、そこにひたむきでいる会社であってほしい。ビジネスライクにならず、Visionに共感する人を応援するプラットフォームでいて欲しい」とおっしゃっていただきました。
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木村石鹸工業社は三重伊賀にもIGA STUDIO PROJECTという工場があります。いつかそちらの工場にもお邪魔させていただきたいです!
木村石鹸工業の皆さま、お忙しいところありがとうございました。
後編では、株式会社インターナショナルシューズの工場見学の様子をお届けします。
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