自律性と「ゆらぎ」〜論理では割り切れないことを乗り越えてゆく〜
生命、生物について学んでいると「生物と機械の違いは何か?」という問いが投げかけられていることが多いように思います。
一つの違いとして「自律性があるか・ないか」という回答があります。何をするかを「外から与えなければならない」とき「自律性がない」と表現し、自分で勝手に動くとき「自律性がある」と言われます。
ですが、人工知能(AI)により、いわゆる「機械」が人が命令を与えなくとも自ら目的を達成するために動き、その範囲が多様化しています。すると行動に際して「命令を与える・与えない」という点では生物と機械の違いは縮小しています。
人間も、誰かから命じられないと動けない状況に直面することがあります。たとえば、ショッキングな状況に直面すると「恐怖」や「驚き」などの感情からその場から動けなくなってしまう。また、味わった「感動」や「喜び」が何か新しいことや困難なことへの挑戦を促すこともあります。
感情の「ゆれ」が行動の促進、抑制の両方に作用していることを足掛かりにすると、自律性とは「ゆらぎ」に似ているように思えてきます。
迷ったり、悩んだり。割り切れないことに何とか折り合いをつけていく。
論理的には説明できないことも乗り越えてゆける。それが「自律性」の根幹なのかもしれません。
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