「ちゃんこガール」
10年ほど前に考えて結局どこにも出していない企画。イメージとしては漫画が一番いいなあ、と思っていたのですが漫画描けないですし、日々の仕事が忙しく、ほったらかしにしていた企画です。
あらすじ
主人公の少女は相撲部屋の長女として生まれる。少女の父は関取だったので、幼い頃から少女は相撲を見て育ち、「自分もいつかはお相撲さんになる!」と思っている。彼女が10歳の頃に母が亡くなり、さらに父が新進気鋭の若い相撲取り(18歳)に負けて引退を決意する。引退を決め、一人涙を流す父を見てしまった少女は、自分が相撲取りになり、あの若い相撲取りに勝つ、と父に言う。しかし、父は「女の子は相撲取りにはなれない」と少女に告げる。ショックを受ける少女。
それから8年。少女は大学(料理専門的な)を卒業し、両国でちゃんこ屋を開く。(正式には力士が作った料理をちゃんこというようだが)彼女のちゃんこ屋はその味と彼女の魅力で、いろいろな悩みを抱えた力士が訪れるようになったのだった。
基本はグルメ漫画的展開
少女のちゃんこ屋には悩みを抱えた力士がやってくる。例えば、「最近全く勝てないんだ。次に負けたら廃業しようかと…」みたいな。少女は力士の悩みを聞き、その力士の為だけのちゃんこを作って食べさせる。報酬は言い値(ブラックジャック的な)。それでも悩んだ力士は彼女のもとへやってくる。(例)力士は自分でも知らないうちにホームシックになっていたのだ。彼女は力士の出身地のモンゴル(とか)の塩とかを使ってちゃんこを作る。ここでウンチクも入る。それを食べた力士は悩みを解消し、彼女が応援に行った前で勝利を収めるのだった。最後は少女のモノローグで終わる。「両国は今日も、晴天です」
恋愛要素もあり。
少女の父を引退に追いやった力士は今では26歳、横綱になっている。彼を倒すのが少女の目標だったので、最初は敵視しているのだが、彼の取り組みをずっと見ているうちに、少しずつ惹かれていってしまう。それで、彼に負けて涙を流した父の本当の理由みたいなものも語られたりして。父が自分の胸を指差して、「見えるか?」「何が?何もないよ」「彼が私を押し出したときの掌の熱さ。あれは見えなくても、今でも父さんの胸に残っている。その熱さが、俺を次の人生に向かわせてくれたんだ」みたいな。
ラストへの展開
ラストは勿論、横綱になった彼の悩みを解消することになる。まあ、ベタだけど、彼のためのちゃんこは何か普通の鍋料理のちゃんこじゃないんだろうね。先述したように、力士が作ったものがちゃんこなので、彼女が作るものは正式にはちゃんこではない。それと彼女と横綱の恋愛要素を絡めて普通の食事を作るみたいな。(亡くなった母親が父に作った料理とか)で、彼女は思い出を語る。「私は相撲取りになりたかったけど、なれなかった。だから、これはちゃんこじゃないんです」みたいなことを言うわけです。横綱はそれを食べて、「いや、これは立派なちゃんこです」みたいなやりとりがあって、「報酬はどれくらい払えば」みたいなことを言う横綱に彼女は「報酬は要りません。ただ、あなたが優勝したら、私と相撲をとってください」みたいなことを言う。
ロッキー3的なラスト
横綱は優勝する。彼女と横綱は父親の相撲部屋で相撲を取ることになる。父親も見てた方がいいかな。「はっきよーい、残った!」の声と共に、相撲の結果は分からず、シーンは変わる。後日、横綱と彼女は並んで歩いている。(デートかな?)で、横綱が少し服をはだけて言う。「見えますか?」「何がです?」「ここに、君が私を押したときの掌の熱さが残っています」みたいな。ニッコリ笑う少女。勿論、ラストは彼女のモノローグ「両国はずっと、晴天です」で終わりです。