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「猫と娘と中年男」

 今日、8月8日は世界猫の日なのだそうだ。それで、ぼんやりと考えていたのだが、ちょっとネタを思いついたので、書いておきます。便宜的に配役のイメージで役者さんのお名前を書いておきますが、もちろんただの妄想です。

あらすじ

 主人公は定職を持たない40代の男(大泉洋さん)。その日暮らしをして、安酒を飲んで、という生活をしている。安酒を飲ませてくれる居酒屋は同じような境遇の男たちの溜まり場になっている。常連は八人くらい。(荒川良々さん、梶原善さん、西島秀俊さん、棚橋弘至さん、松重豊さんなど)彼は30歳くらいの頃まで結婚していたが、彼の酒癖の悪さなどが重なり、離婚してしまう。

 その日も彼は飲んだくれ、寝ていた。その彼の鼻先に何かが触れる。猫だった。くしゃみをして目覚める。彼は猫アレルギーなのである。「猫!?どこから入ってきやがった!?」「玄関、開いてたから…」と声がするのでみると、一人の少女(10歳くらい?誰がいいかしら)が立っている。猫は彼女のところへ飛んでいき、抱き抱えられる。「お母さん、死んじゃったの。お父さん」彼女は主人公の娘だったのだ。

 主人公は娘がいたなんて知らなかったのだ。「お前なんか知らん。それに俺は猫アレルギーなんだよ、でてけ」みたいな感じで最初は酷い扱いをする主人公。しかし、娘はその場で倒れてしまう。常連仲間の一人、通称「医者」が彼女を診て、ただの空腹だから何か食わせてやれ、みたいな話になる。娘は手に、一枚の写真を持っていた。それは若い頃の自分と妻の写真である。裏に主人公の住所も書きつけてある。本当に娘なのか・・・。主人公はその日から、止むを得ず、娘と猫にご飯を食べさせるために働く。

 猫アレルギーに困りながら、主人公にご飯を作ってくれようとしたりする娘の姿を見たりしているうちに(中年仲間もよく家に転がり込む)主人公はこんな生活も悪くないかも、と思い始める。娘の誕生日を聞いたり(二ヶ月後だ)、元妻との話を聞いたり。しかし、娘の祖父、つまり主人公のかつての義理の父が娘を取り戻すために、密かに動き出していた。(寺田農さん)義理の父は結構危ない筋の偉い人である。それで、配下の者たちに命令する。「孫を取り戻せ、何をしてもかまわん」

 ある日、とうとう義理の父の配下の者たちがやってきて、娘を連れ戻そうとする。主人公は抵抗しようとするが、一発殴られ、こんな相手に敵う分けがない、と諦めてしまう。「どこへでも連れてけよ…元々俺には娘なんかいなかったんだ」その情けない態度に、娘も叫ぶ。「お父さんの馬鹿!」中年仲間も主人公をなじる。主人公は言い返す。「お前らだって同じだろ。適当に諦めて、自分はこの程度だって、この程度の人間だって、自分を誤魔化して生きてきただろ!」主人公の周りからは誰もいなくなってしまう。猫も、娘も、中年仲間も。自暴自棄になり、酒を飲んでばかりの主人公。ふと、娘が落としていった例の写真を見つける。裏に住所が書き付けてある写真。その住所の下に、さらにメモ書きがあった。「お父さんはどんな人かな?」みたいな。主人公は泣く。そして奮起する。ジャッキーチェンの映画のように、もしくはロッキーのように、自分を鍛えるシークエンス。そして懸命に働き、酒もやめる。彼は娘の誕生日までに、娘を取り返す決意をする。その姿を見て、中年仲間が帰ってくる。彼らは皆、何らかの技能を持っていて、それがあだ名になっているのだ。「詐欺師」「座頭市」「ジゴロ」「医者」「レスラー」みたいな感じで。彼らは計画を練り、義父の家への侵入計画を立てる。オーシャンズ11みたいな感じだ。

 義父の屋敷は怖い人たち一杯に警護されているが、彼ら中年仲間の能力もあり、屋敷の中に侵入に成功する。しかし侵入がばれ、追手がやってくる。荒川良々さんが実はカンフーの使い手だということがわかり、敵を倒して行ったりする。そのあとを「医者」が一応治療する。しかし仲間は徐々にやられていき、最終的には「レスラー」と主人公だけになってしまう。主人公はレスラーに期待するが、彼の特殊能力は「応援」だった。「高校の頃、応援団でした。野球部は後少しで甲子園行ったっす」みたいな。レスラーは怖い人たちに取り囲まれ、押さえ込まれながらも応援を続ける。「そんだけ出来るなら加勢してくれても!」みたいなことを言いながら、主人公は何とか戦い続ける。とうとう義理の父のみになる。その時、どこかへ消えていた中年仲間の一人が計画通り、猫と娘を連れてくる。「お父さん!がんばれ!」やられた中年仲間も集まり、主人公を応援する。その声援の中、義理の父親と戦う。しかしおされていく。もうだめだ、という瞬間、猫が主人公に抱きつく。主人公は猫アレルギーでくしゃみをしてしまう。その弾みでしゃがみ込み、義理の父のパンチ(もしくは日本刀)を偶然逃れ、頭をあげた瞬間、頭突きで義理の父を倒す。「みんなこいつの応援しやがって…ワシの応援してくれる人いたっていいじゃん」みたいなことを呟いて気絶する義理の父。意外と憎めない人なのだ。

 義理の父とも和解し、中年仲間と娘と猫と主人公のささやかな誕生日パーティが行われる。主人公は娘に聞く。「俺はどんな人だった?」娘は答えず、抱きついてくる。「こんど、お母さんのお墓参りに行こう」猫も抱きついてきたので、くしゃみする主人公。

終わり

みたいな感じ。まあ、ただの妄想です。

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