2023年6月30日分ファクトセットレポートまとめ
以下の内容は、2023年6月30日発行のEaringsInsightの中から個人的におもしろいと思ったところをまとめたものになります。投資アドバイスや推奨ではありません。
◆S&P500のフォーワードPER
現在のS&P500フォーワードPERは18.9です。これは5年平均の18.6、10年平均17.4を上回っています。
◆2023年第2四半期について
2023年第2四半期のS&P500種指数は-6.8%の減益を予想がされています。仮に-6.8%が実際の減益幅となった場合、S&P 500種指数は2020年第2四半期以来(-31.6%)の大幅な減益幅となります。
S&P500種構成企業の第2四半期決算シーズンが数週間後に始まりますが、アナリストはS&P500種構成企業の第2四半期のEPS予想を通常より引き下げていません。EPS予想(指数に含まれる全企業のEPS予想中央値を集計したもの)は、3月31日から6月29日までに2.9%減少しました。(54.38ドルから52.80ドルへ)
通常、アナリストは四半期中にEPS予想の下方修正を行います。過去5年間(20四半期中)のボトムアップ予想EPSの四半期中平均下落率は3.4%、過去10年間(40四半期)では、3.4%でした。さらに、過去15年間(60四半期)の平均下落率は4.5%。過去20年間(80四半期)の平均下落率は3.8%でした。
したがって、2023年第2四半期決算に向けて第2四半期に記録された(※2023年3月31日から2023年6月29日まで)ボトムアップEPS予想値の下落幅は、5年平均、10年平均、15年平均、20年平均よりも小さかったことになります。
セクター・レベルでは、第2四半期にかけて、エネルギー(-14.5%)と素材(-9.6%)を筆頭に、11セクター中7セクターで2023年第2四半期のボトムアップ予想EPSが減少しました。一方、情報技術(+2.0%)と通信サービス
+1.5%)を筆頭に、この期間に2023年第2四半期のボトムアップ予想EPSが上昇したセクターは4つありました。
◆エネルギーセクターはシェブロンとエクソンが収益減少をリード
第2四半期中のエネルギー・セクターの推定収益(ドルベース)減少率は11セクター中最大で-12.5%(385億ドルから337億ドル)でした。
エネルギー・セクターの23社中22社(96%)が、第2半期中に平均EPS予想を減少させています。
ヘス・コーポレーション(HES) :1.43ドルから0.94ドルへ
シェブロン(CVX):3.61ドルから3.13ドルへ
エクソン(XOM):2.51ドルから2.29ドルへ
◆マテリアルの66%の企業が3月31日以降のEPS予想を下方修正
素材セクターの推定利益(ドルベース)減少率は11セクター中2番目に大きく、-8.3%(155億ドルから142億ドルへ)とでした。
素材セクターの29社中19社(66%)が、第2四半期中に平均EPS予想が減少しています。
インターナショナル・ペーパー(IP):0.76ドルから0.41ドルへ
モザイク(MOS):2.11ドルから1.23ドルへ
CFインダストリーズ(CF):3.64ドルから2.33ドルへ
アルベマール(ALB):6.95ドルから4.74ドルへ
◆情報セクターはエヌビディアとマイクロソフトが業績上昇を牽引
情報技術セクターの推定収益(ドルベース)は、四半期開始以来11セクター中最大の増加率2.3%(815億ドルから834億ドルへ)でした。
情報技術セクターの65社中31社(48%)が、この間に平均EPS予想を引き上げています。
エヌビディア(NVDA):1.05ドルから1.97ドルへ
テラダイン(TER):0.51ドルから0.66ドルへ
◆消費者裁量セクターはアマゾンが前年比成長への最大の貢献者
消費者裁量セクターの収益成長率(前年比)は26.1%と、全11セクターの中で最も高いと予想されます。
小売業、ホテル・レストラン・レジャー、自動車部品は増益が予想されます。
一方でレジャー用品、耐久消費財、繊維・アパレル・高級品などは減益が予されます。
企業レベルでは、アマゾン(AMZN)がこのセクターの利益成長に最も貢献すると予想されており、同社を除外した場合、同セクターの予想利益成長率は26.1%から5.5%に低下するとされています。
◆S&P500指数の四半期EPS成長率
◆S&P500指数の通年EPS成長率
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