経営の本質_まず従業員を幸せにする
経営の本質は、まず従業員を幸せにすること、というのが、私の考えです。
経営者の皆さん、従業員さんを幸せにしてますか。従業員の皆さん、社長に、幸せにしてもらってますか。
私には、秘書業務をお願いしているプロの方がいて、従業員とは違うかもしれませんが、秘書さんが幸せにならないと困る、と思って仕事に取り組んでいます。
従業員を幸せに、という考え方は、多くの成功企業が実践していることでもあり、石川県の高級旅館「加賀屋」もその代表例の一つ、という日経ビジネスの記事を読みました。
加賀屋は1度だけですが、コロナ禍前に利用させて頂いたことがあり、サービスの質の高さに圧倒されました。顧客満足度を高め、一般に、旅行業界が厳しい時代においても、日本一の旅館として高い評価を得続けています。
その秘訣は、単なる設備の充実や料金設定だけではなく、「従業員満足度の向上」にあるそうです。
経営者にとって、「顧客第一」という考え方は一般的です。
しかし、サービス業において顧客満足度を高める最前線に立つのは従業員。従業員が顧客を思いやり、笑顔で応対することで顧客体験が向上し、それがリピーターの獲得や口コミでの評価向上につながります。
しかし、「顧客に対してよいサービスをしよう」と従業員に、ただ要求するだけでは十分ではありません。
従業員が心から満足している状態でなければ、そのような「サービスマインド」を持ち続けることは難しいのです。加賀屋では、これを従業員満足度の向上を通じて実現しています。
加賀屋の具体的な取り組みとして、従業員の肉体的・精神的な負担を軽減するためのシステム導入があるようです。
例えば、1981年に導入された「料理自動搬送システム」は、厨房から客室へ料理を運ぶ労力を大幅に削減し、従業員がサービスに集中できる環境を整えました。ロボットが重労働を担うことで、従業員が余裕を持って顧客に「おもてなし」を提供できるようになり、顧客満足度が向上する結果となりました。こうした設備投資が、従業員を大切にする姿勢を示す一環です。
また、加賀屋では従業員が家族を大切にし、安心して働ける環境を整えています。母子寮や保育施設「カンガルーハウス」を設け、子供の面倒を見ながら安心して働ける体制を整えているのもその一例です。
この取り組みは、従業員の安心感を支えるための重要な施策であり、日常生活における負担を軽減することで、従業員が仕事に集中できる環境を提供しています。結果的に、このような従業員の働きやすさが、顧客へのより良いサービスへとつながっていきます。
さらに、加賀屋の従業員教育も特徴的です。
従業員一人ひとりに対し、サービスの定義を明確に伝え、サービスに対する共通認識を持たせています。
具体的には、「プロとして訓練された社員が給料をいただいて、お客様のために正確に役に立ち、感激と満足感を引き出すこと」として、全従業員に丸暗記させているのです。このようにして、サービスの本質を従業員に深く理解させ、その意識を持ってお客様に接することで、自然と高い接客レベルが実現されています。
教育を受けて、プロとして成長できる従業員は幸せですよね。自分の子供を就職させるなら、こういった組織が良いと考えます。
これら事例からも明らかなように、経営の本質は、従業員を幸せにすることです。
従業員が満たされ、安心して仕事に集中できる環境があってこそ、顧客に対して高い品質のサービスを提供することが可能となります。
経営者として、従業員をサポートし、彼らが働きやすい環境を整え、モチベーションを維持することが、企業の成長に直結すると信じています。
従業員満足度を重視し、顧客満足度の向上を目指す経営こそが、長期的に企業が生き残り、成長するための鍵となると考えます。
経営者のみなさん、過度にお金をかける必要はありません。従業員を家族と思って、大切にしましょう。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?