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インド開拓@世界営業~インド工科大学式典で基調講演~



世界営業

8月で筑波大学の准教授(アントレプレナーシップ(起業家教育)担当を辞め、9月からは自分の会社、Openpath株式会社で活動を始めました。

6社の新規事業研修の講師や、新規事業のメンターの仕事。
そして、経済産業省でのスタートアップのメンターとしての仕事。
また、いくつかのこれから立ち上がるスタートアップの事業開発(人工冬眠など)。

これらは、筑波大学を辞める前から頂いていた仕事でしたので、引き続き続けました。

ただ、未来の仕事となる、自分のプロジェクトをいくつか創りたい!
ということで、始めたのが
『世界営業』

世界の名だたる機関や個人に、「神谷誠を紹介する」という(アホな)企画

  • 「あなたの機関での新規事業やスタートアップエコシステム立ち上げを手伝いますよ」

  • 「あなたの機関と日本の機関をおつなぎしますよ」

  • 「あなたの機関でこれからの人材育成や経済発展に向けた講演をしますよ」

10年前、アメリカの大学院に入れなかった。
そこで思いついたのが、『売り込み』
トップ20の大学院の研究室のHPを訪問。
論文を読み、批判文書とリサーチアシスタントとして雇用するようにメールを送る。
そんな「恐怖の手紙」作戦を、今回もしてみました。

驚くなかれ。

結構、返信が来る!!!

そんな中で、最も熱くなりそうだったのが、世界の教育機関のトップの一つ、
インド工科大学

でした。

インドに23校あるインド工科大学。
その中でもトップにある、インド工科大学ボンベイ校@ムンバイ(通称、IITB)

そこの産学連携の副学長が、少し話してもいいですよ、とお声がけしてくれました。

世界最高学府、インド工科大学ボンベイ校

討議前、ぼくは寝起きでTシャツ姿でミーティングへ。

一方、あちらは4人がスーツ姿でオンラインミーティングへ登場。

「。。。ご本人さん??」
あちらの一言めでした。

経済産業省(NEDO)の認定メンターに、日本を代表する大企業6社の新規事業講師・メンター。
かなり、バリっとした人が出てくると思っていたのでしょうねw

気を取り直し、僕の暑苦しい紹介と、IITBへ貢献できそうなことを3つほどプレゼンしました。

なかなか、刺さった様子。
あちら側のスーツ4人が何やらこそこそ話していました。

討議後、その副学長が、インド工科大学ボンベイ校のインキュベーションセンター(スタートアップを生み出す組織)の社長へつないでくれました。

その社長からは、11月下旬のIITBの20周年式典で、基調講演してほしいとのコメント

「やった!!!」
こんな感じで、世界営業1件目がうまくいきました

それからしばらく音信不通で焦りましたw
式典開催2週間前に、正式に招待状が届きました。
基調講演改め、IITBの関係者とのパネルディスカッションとなりました。

当日、インドへ渡り、IITBのキャンパスを歩いていると、こんな立て看板が。


IITBキャンパス内の立て看板1


IITBキャンパス内の立て看板2

マッキンゼーの名誉パートナーよりも上にいる(笑)

式典会場に着くと、まあ豪華!
IITBのアントレプレナーシップ担当教授や、IITBのインキュベーションセンターの社長、パネルディスカッション登壇者に挨拶。


会場の様子

ずっと英語をブラッシュアップしてきたけど、インド英語はやはりくせがある。。
そこそこわかりやすい人と、何をいっているのかさっぱりの人に真っ二つに分かれる(笑)

そんなこんなで、パネルディスカッションスタート。
当初は、質問の台本があった。
当日、台本なしでやりましょう、と教授から提案。

。。。おいおい(笑)

こちとら、台本ベースで英語を勉強してきたんじゃ!
まあ、こんなところもインドのご愛嬌ということで、もう楽しむしかない!


パネルディスカッションの様子

ひとまず、自分のアピールをもりもりの150%くらいで。
経産省(NEDO)のスタートアップ認定メンターや、日本の大企業の新規事業アドバイザー、ソフトバンク孫正義氏の後継者、人工冬眠スタートアップの話などなど

    パネルディスカッションの動画(ショートバージョン)

それらをできるだけ、自然に自然にお話ししました(笑)

パネルディスカッションのタイトルは、”Importance of Entreprenuerial Capital in Driving Innovation and Economic Development(イノベーションと経済発展をけん引する、アントレプレナーシップ(起業家精神)の重要性)”という、少しイカツイもの。
質問はこんな感じでした:
・アントレプレナーシップは誰に必要か?
・アントレプレナーシップを向上させるには何が必要か?
・アントレプレナーシップ向上が、今後、国にどのような資産となりうるか?
などなど。

    パネルディスカッションの動画(フルバージョン)

インキュベーション施設SINE@IITBの20周年式典アジェンダ

日本は、第二次世界大戦後の焼け野原から、名目GDP世界2位の国(第4位、2025年1月現在)となりました。
そのあたりとアントレプレナーシップを絡めた話や、筑波大学でのアントレプレナーシップ教育経験やつくばエリアのスタートアップエコシステム構築経験、自身のメンタリングやコンサルティング経験からの日本企業や日本のビジネスマンの話など。
できるだけ、日本と世界、インドと日本の視点などを入れて、ぼくにしかできないコメントをとどけた(つもり)です。

つい、熱くなりすぎて、つたない英語ながらも話すぎたかも。
笑いをもう少しとりたかった(笑)

パネルディスカッション後、会場の後ろの方の席でぼーっと他のセッションを見ていました。
どれも、登壇者が一流の方々で、大変面白い!
そう思っていたら、右側に気配が。


IITBシンポジウム中の会場での学生たちとの対話

学生やおじさんたちが、列になってこちらを見ている!(笑)

「ビジネスプランの壁打ちをさせてください、神谷教授」
「これからのキャリアについて相談させてください、神谷教授」
「これからの、当社との連携について相談させてください、神谷教授」
などなど。

すごい鼻息の荒さと熱量。
おじさんたちは、IITBの教授たちやMOT(テクノロジーのMBAみたいなやつ)に来ているビジネスマンや経営者など。
どこまで対応できるかもわからんし、もはや教授でもない(笑)
でも、対話は重要!

「もちろん! でも、人数多いので、1チーム10分ね」
と話しました。

ところが、どの人も話が長い!
10分どころか、20分経っても終わらない方々続出。
自分の後ろに長蛇の列があるのに、気にもしない。

思うに、
インドは「配慮も遠慮もない」

これは悪く聞こえるかもしれないけど、起業やチャレンジという観点だと、とても重要。
人の目を気にすることなく、自分がやりたいことを自由に挑戦できる。

一方、
日本は、「配慮の遠慮もする」

これはよく聞こえるけど、起業やチャレンジという観点だと、ネガティブ。
人の目を気にして、結局、行動できない。
このあたりから、「日本は世界的に見てもチャレンジ精神が低い」(GEM Report 2020)と言われるんでしょうね。

個人的には日本人の奥ゆかしさは大好きですが、イノベーションの観点だと日本の気質では厳しい。
人は、自分が思うほど自分のことは気にしていないのにね。。

そんなこんなで、3時間経っても、対話が終わらない(笑)

しかし、IITの学生さんも、教授も、ビジネスマンも、貪欲なだけではなく、素晴らしく優秀。
言ったことをすぐに理解してくれる。
良い反応を見せてくれる。
これは面白い!

時間もなくなってきたので、
「また、明日かオンラインで話しましょう」
と言い、Whats up(海外のラインみたみたいなやつ)を皆さんと交換して終了。

これが、この後の数週間、オンライン・インド・ミーティングの地獄が始まることをつゆ知らず。

ところで、他のセッションをほとんど見られなかった(笑)

帰りに、皆さんに挨拶を。
そうしたら、IITBのインキュベーションセンターの社長が、After Partyへ来ないか?と誘ってくれました。
これは行くしかない!ということで、即決でYes!と返答。

世界の最前線は、日本人を求めている

After Partyは、素敵なホテル(名前忘れましたw)のルーフトップバルコニー。

インドのパーティーと言えば、なんとなく、アルコール少なめ、カレーたっぷりのイメージが(笑)

ところが、さすが国際都市ムンバイのホテル。
海外の方が多いということで、アルコールも洋風ディッシュもわんさか。


After Partyの様子

ところが、外国人は、なんと僕ひとり!
会場にいた外国の方々は、After Partyには来ずに帰ってしまったとのこと。

IITとはいえ、インドにどっぷりは外国の方には厳しいのか?!
もったいない!
こういう場が、何よりも楽しいのに。

ということで、完全アウェイで、インドの方々に囲まれながら、楽しい時間を過ごしました

インドの方々は、大半がIITBの卒業生。
まあ、皆さん優秀かつ、成功している方々ばかり。

インド中の面白い人を集めたようなparty。
起業している方々もいれば、インド有数の大企業の役員の方々もいたり。
IITBの教授で連続起業家の医者もいたり。
中には、インド有数の財閥、タタグループのCFOがいたり。


IITBのインキュベーションセンターの社長と

ぼくが唯一の外国人ということで、次から次へとぼくに話しかけてくれる。
しかも、ぼくと話した人が、「あそこにいる日本人のMakは面白いよ。話してくるといいよ。」とプロモーションまでしてくれている(笑)

2時間いて帰るはずが、結局、4時間たっぷりといました(笑)

みなさん曰く、日本へは行くインド人は多いが、日本からインドへ来てくれる日本人は限られているとのこと。
特に、個人だと余計にいない。
「インド人は、日本人が大好きなのに。」と、多くの方が嘆いていました。

皆さん、ぜひインドへ!

次の日は、話した人たちからオフィスに来るようにお誘いを受けたので、いくつかのオフィスを2時間おきに回ってきました。
これからが楽しみな話がいろいろ。

インドらしく、色々と予定外のことだらけでしたが(笑)、
素晴らしい、インド滞在となりました。

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