#24 HER NAME IN BLOOD 2nd ALBUM “HER NAME IN BLOOD”リリース7周年 制作秘話 & セルフレビュー!
こんばんは!
久しぶりの更新になります。
まずはご報告ですが、先日、1年1ヶ月ぶりにステージに立ちました!
Photo by Seijiro Nishimi
筆者が勤めている、CRAFTROCK BREWPUB & LIVEの母体であるステディワークス主催、"CRAFTROCK CIRCUIT'21"での出演でした。
実はこのイベント、2020年に予定されるも中止を余儀なくされたもの。
MCでも言いましたが、昨年起きた最も悲しい出来事のひとつでした・・・
コロナ禍での有観客公演に関してはまったくの初体験。
この出来事に関しては、また別で記事にしようと思います。
話が脱線しました、さっそく表題の作品について触れていきます!
HER NAME IN BLOOD
全12曲入り。2014年4月23日にTRIPLE VISION ENTERTAINMENTよりリリース。
この時点のバンドのタイムラインをまとめると,
・インディーズ通算2作目のフルアルバム
・TRIPLE VISION移籍後初のフルアルバム
前回のEPより音楽性や作曲方法の変化があり、その延長線上で制作された作品です。
ストリーミング・サービスでは、THE BEAST EPとコンパイルされた"THE EARLY YEARS TRACKS"というタイトルで配信を行っています。
メジャーデビュー後に何曲か再録を行い著作権を移した関係で、何曲かは未配信となっています。
制作背景① : 一皮剥けた
THE BEAST EPリリース後、嬉しいことに多方面よりオファーをいただくことができました。
大きな会場でのライブやいくつかの海外公演を経て、バンド内ではアーティストやプロミュージシャンとしての意識が高まっていった時期です。
2013年末には初の中国ツアーを敢行。
国内最大野外ロックイベントといわれるMIDI FESTIVALを含めた6公演を行いました。
その様子もこの動画に収められています。
制作風景② : ATTIC STUDIO
DECADENCE〜THE BEAST EPの流れと同様、
レコーディングは原宿にあるATTIC STUDIOにて行われました。
もちろんエンジニアは山中大平氏
そして恒例のスタジオ・ビデオも。
①DRUM & BASS編
②GUITAR編
③VOCAL編
制作背景③ : DTM環境導入
この頃からメンバーは本格的にDTM環境を導入し、プリプロ(仮録音デモ作り)を行うようになりました。
むしろなんで今までやらなかったんだろう、というくらいに楽曲制作はビジョンがより明確になりました。
筆者としては、ネットに転がる音声をサンプリングして趣味で曲を作る。
メンバーに聞かせてみたところ、「コレ曲にしようよ!」
という思わぬところから着想を得る、不思議な作曲方法を身に付けた時期でした。
本邦初公開、これが筆者の趣味の音楽部屋です。
制作背景④ : セルフタイトルを冠する
バンドにとって、作品に自身のバンド名を冠する = セルフタイトル作品
というのは、「バンドとしての決定打的なもの」という認識が世間一般なんじゃないかと思います。
筆者の好きなバンドの例でいうと
Killswitch Engage / Killswitch Engage
Blink 182 / Blink 182
Deftones / Deftones
THE BEAST EPを制作したことで、よりバンドの核である音を追求した結果、色々な邪念を振り払い、バンドとしてソリッドな音楽を作れたような気がします。
制作背景⑤ : Andrew Wade
今作のミックス・エンジニアには、アメリカの"Andrew Wade"を起用しました。
A Day To Rememberのプロデューサーであり、のちにThe Ghost InsideやWage Warの作品も手掛けています。
分離がよく、かつ耳心地のいいエフェクトとラウドさのバランスの取り方に長けていると思います。筆者も上記のバンドが大好きなので、楽しい仕事でした。
Andrewは筆者のFujigen製ベースの録り音をめちゃくちゃ褒めてくれて、直接メッセージをくれるナイスガイでした。
制作背景⑥ : アルバムジャケット
今現在も使用している、バンドの代表ロゴのひとつ (通称、バーコードロゴ)
ストリートの一角に、それをスプレーした壁が何かの時代の幕開けの象徴のように現る。
セルフタイトルだからこそ、大胆にシンプルな構図にチャレンジしたジャケット。
前回と同様、MAXILLAにお願いしました。
制作背景⑦ : ツアー寸前にTJ骨折
リリースツアーを数日後に控えたある日、ギターのTJが路上で転倒し、左腕を骨折。
そこで代打に上がったのは、現在note界の巨匠でありSailing Before The Windのベース、bitoku。
ベース!?
そう、じつは彼はベーシストである以前に自身のバンドの作曲をギターで行っていて、それはメンバーも周知。
「bitokuならできるはず!」という無茶振りに「やります!」の一言で承諾してくれた彼のプロフェッショナルさに今でもとてつもなく感謝している。
(彼が出演できない公演は、Yoma (The Winking Owl) そして Katsunori (Cyclamen)がプレイしてくれました)
①HERE WE COME
筆者作曲。
確かコレは某裏方の人の喋り方がとっても特徴が強く、
ふとした好奇心からそれを録音してサンプリングした曲を作った結果
「コレ曲にしよう!」
そして
「一曲目にしよう!』
という奇跡の展開を見せた曲です。
(残念ながら原曲はSoundcloudには載せてません)
影響源としては、Emmureなどのテンポチェンジやトリッキーな展開の多いハードコアに強くアイディアをもらっています。
②HALO
HER NAME IN BLOODってどんなバンド?
と聞かれたら
「こんなかんじ」
と即答できる、そんな楽曲
ギターDAIKI作曲、デモの時点から異彩を放っていました。
IKEPYの歌詞も抽象的ながら美しい世界観で、
HALO = 後光
そしてそれを照らす太陽や主人公、その太陽は歌詞を読む人それぞれの思い浮かべるものという内容 (と筆者は解釈)
MUSIC VIDEOも、HERE WE COMEからのドラマ仕立てでかなり面白い仕上がりです。
メジャーデビュー後再録を行っています。
③ZERO (FUCKED UP WORLD)
こちらも筆者作曲。
HERE WE COMEと同様に、ふざけて作ったものをメンバーが評価してくれて出来上がった曲です。(こちらも残念ながら原曲はSoundcloudには載せてません)
パワフルだけどトリッキーでバウンシー、そしてキャッチーというのを目指しました。
リリックビデオがあります。
④THIS IS RETRIBUTION ft.Ryo from CRYSTAL LAKE
ギターDAIKI作曲。
盟友CRYSTAL LAKEのボーカル、Ryoがフューチャリングしてくれています。さすがのボーカルフレーズ。
そして楽曲、まず縦乗りのリフがかっこいい。
そして中盤のポリリズム寸前のギターとドラムのシンクロがお気に入りです。
⑤IMPULSES WITHIN
ギターTJとドラムUMEBOのタッグで作曲。
デスメタル好きの2人が、「なんか2人でジャムってみよう!」というところからできたデモが元になっています。
当初あまりにもピュアにデスメタルそのまますぎて、DAIKIがアレンジした結果HNIBらしさが出た気がします・・・笑
⑥ALL THAT LIVING INSIDE OUR HEAD
ギターDAIKI作曲
これはバンドが演奏するライブ会場のキャパシティも広がり、
もっとフロアと一体感を得たい!というビジョンから生まれた曲。
FIVE FINGER DEATH PUNCHなどのアメリカン・ロックの影響が強かった記憶があります。
途中のビシッとキメで静止するパートは、ライブの時とってもスリリング。
⑦DUSTING
ギターTJ作曲
バンド初のインスト楽曲。
原型であるデモにボーカルを入れる予定だったところに「これインストでもかっこいいんじゃない?」というアイディアからこの形になった記憶があります。
TJ骨折から復帰後、ツアーファイナルにて初めて演奏しました。
⑧CITY OF DESPERATION
ギターDAIKI作曲
怪しい危険な雰囲気のリフ
確か仮タイトルはゲームBIOHAZARDの舞台、「ラクーンシティ」
商標登録の関係でタイトル下は敵わずとも、攻撃的な楽曲になったと思います。
これも終盤のキメは息を飲むほどスリリング。
⑨VOID
筆者作曲。
これはとくにふざけることもなく(?)、ギターを弾いているときにふと思いついたリフと、もともと出来上がっていたブレイクから構成されています。
人気YouTuberでありバンドの「夕闇に誘いし漆黒の天使等」のみんながこの曲をイジってくれています笑
⑩IF I MELT AWAY
ギターDAIKIとTJの合作。
トリッキーな拍子展開だけど、サビがメロウな面白い曲。
筆者はこのサビを初めて聞いたとき、純度100%のMETALLICAを感じました。
⑪THE CLOWN
筆者作曲
なんとこれはこのアルバム最古の楽曲で、
DECADENCEをリリースする以前のものをリアレンジ。
タイトルは違うけど同一曲です。
⑫PRAY TO THE SUN
ギターDAIKI作曲
当時、UMEBOの家のソファーでDAIKIがなんとなく弾いていたコード進行が妙にカッコよく聞こえ、「それ曲にしたら?」というきっかけから発展していきました。
後半のギターとベースのユニゾンリフは、バンドの持ち曲史上かなりの難易度で、レコーディング苦戦しまくった覚えがあります。(その様子はスタジオビデオに収録)
個人的にはイントロにMotörheadの影響を感じ、仮タイトルは「革ジャン」でした・・・笑
あとがき
いかがでしたでしょうか?
こうして振り返ってみると、何かを思い出そうとして、それに伴って当時の思い出や、メンバーとの会話やなんでもない情景が蘇ってきて、そんな気持ちを形に残しておきたいところもあって記事にしました。
過去の他の作品も記事にしてあるので、タイムラインは飛び飛びですが是非チェックしてみてください!
過去のセルフレビュー
1st Album "DECADENCE"
4th Album "POWER"
2nd EP "THE BEAST EP"