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手汗

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日常的に手汗をかいている。

プリントはシワになり、机に手を置いていると水滴になる。

常にハンドタオルを持ち歩き、手汗を拭く。

たまに人と握手をするタイミングがあると非常に困る。

彼女と手を繋いだり、SEXをするときだって躊躇する。

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ぼくは家を出てコンビニに向かった。

今日はかなり気温が低い。

汗をかいている手に風が直接あたって冷たくなる。

それでもぼくの手はせっせと汗をかく。

一体何のため汗をかくのか。意味が分からない。

自分の身体を自分で制御できない自分に腹が立つ。

コンビニについて雑誌を手にとった。

今日はいつもよりも手汗がひどい。

コーヒーを飲んだからだろうか。

雑誌を読むのをやめて、戻した。

目的の弁当選び、レジに向かった。

若い女性の店員が対応してくれた。

「お弁当温めますか?」

"お弁当”という言葉遣いが可愛いと思った。

おつりを受け取るときに手が触れてしまった。

彼女は変わらず愛想のよい表情だった。

ぼくだけが気にしていたのかもしれない。

ひどい手汗に一番敏感だったのはぼくだった。

ぼくは彼女に感謝し、弁当を受け取った。

今日も明日も、ぼくは気にせずに手汗と向き合っていく。

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春風誠(Makoto Harukaze)
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