世界を描こうとした一枚の絵画
世の中には沢山の人がいて、沢山の考え方があると人は言う。
世の中に無数にある思想は、無数にある1枚の絵画に似ている。
ある人は川を見て川を描き、ある人は海を見て海を描く。
ある人は山を見て山を描き、ある人は花園を見て花を描く。
水彩画もあれば、油絵もあり、ペン画もある。
どの絵も世界を忠実に描こうとして描かれた絵であり、
一つ一つが真理。正しい。
だけど誰一人として世界の全てを1枚の絵に描き切ることのできる人なんていない。
頓知として地球儀を描けばある意味で世界と言えるのかもしれないけれど裏面までは描けない。
ピカソのような視点を用いれば両面描けたとしても、
その抽象度は到底世界を描き切ったとは言えない。
ぼくたちが見ている世界。
感じているそれは一枚の絵画に似て絵に描いた餅。
それぞれの主張は全てに正しく、
一枚の絵として全てはそれゆえ世界。
だから幸せを生きるには、
人間として、万物として宿された
素質にあるうちの最も高貴な部分を見て、
それを心の絵画に描き、一瞬一瞬を大切に見て、
その絵画に執着するのでもなく失望するのでもなく、
自惚れるのでもなくただそれを愛て
1日1日を観ながら愛を持ち続けていれば良いのだと思う。
誰が責めようとも笑おうとも
それをたとえ誰も見向きもしない時があったとしても、
人生の絵画を丁寧に描き、
それに満たされているなら、その人は幸せな人だ。
世界全てを描くなんてことは難解な所業。
それができているなんて勘違いしたような絵は描かないでおこう。
ならば今、目にする一つ一つ。
今この時を、今ここにプレゼンスに生きる。
プレゼンスを描く。
1枚1枚の絵画に執着することもなく美しく、
少しずつ少しずつ自分が描きたい世界に近づけばいい。
その片鱗は今すでにここにある。
あらゆる場所に、あらゆる時間にある。
ありがとう人生。
頑張りましょう人生。
楽しみましょう、人生。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
Makoto ATOZI
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