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優しい呼吸

 巷ではゴールディンウィークのはじまりはじまり。
 何やら朝から、やはり町の空気もちがう。

 近所のショッピングセンターへウォーキングと買い物を兼ねて向かえば、BGMの音量も平時の1.3倍、いや、もっとのパワーで感じられる。うるさいと思うくらいなのだから、なかなかの音量。

 ショッピングセンター側も必死。来客のファミリーも必死。子供達はエネルギービーム出しまくり。
 スーパーマーケットでは奥様方のヤケになった気持ちがそのまま、買い物カゴの中に山盛りで放り込まれる。菓子パン、スナック、インスタント食品、肉、肉、肉。

 僕の住んでいるアパートは空港とインターが近いので車の量もカサが増している。排気ガスが目で見えるかのようだ。

 こんな日は、エネルギーの渦に巻き込まれないようにすぐに帰宅しようと決めてアパートに入れば、外ではサイレンがウォーンウォーンとけたたましく、なんとも世相の想念のかたまりのようなものを感じた半日。

 ここからは静かな時間にしようと、YouTubeでリラックス&ヨガの音楽を流しながらこの文章を書いている。

 ブッダに傾倒して、スキンヘッドにして、小さな古いアパートに引っ越して寝袋で寝る生活から、やはり、与えられた力は昇華させようと、人生を成功へ向けて動けるようにと気合を入れて日々過ごしてきたけれど、ここ数ヶ月、インド哲学の聖典読書に目覚めたことから、やはり大切なのは身体と心と魂だと、原点にかえった。
 身体にとって健やかな暮らしをしたいと十年スパン、二十年スパンで今後の話をすると「長生きしたいですか?」と真顔で聞かれてしまう時代。

 答えることが恥ずかしくなる自分もどうかと思う。
 できうるならやはり、病院や薬にはお世話にならずに、健康な心身で寿命を全うしたい。
 志半ばで旅立った親しい生命たちを見てきた。

 求め過ぎれば持ちきれなくなるのが人生。両手にいっぱい薬から毒からを掴みながらもっと掴みたいのだと欲張って山へ登ろうとすればそりゃ危ない。

 インドで6千年以上を経て口伝で継がれてきた物語。
 僕は今、真実はここにこそあるのだと確信している。

 時代は急ぎすぎている。

 欲しいものばかり探していれば、それは幸せのドアではないのかもしれない。

 探さなくても見つかるような光のドア。いまもすぐそこに、ここにもある。

 優しい呼吸をして、身体を軽くして、この人生でできることを試してみたい。やるだけやってこれが定めだなんて言われるならそれもよし。

 所詮僕たちは、何らかの大きな力の掌の上で遊んでいるだけなのでしょう。

 優しい呼吸を思い出して、小さな光からでも世界は変わるのだというあの感覚を僕たちの真我は知っている。

 Makoto ATOZI

 









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作詞家 Makoto ATOZIのnote
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