「BANANA FISH」ニューヨークを駆け巡る男と男の友情ハードボイルド
マンガ好きとしてはこの作品を紹介しないわけにはいかないでしょう。
今回の作品は、吉田秋生作「BANANA FISH(バナナフィッシュ)」
かれこれもう10年以上前の作品ですが、未だに色褪せない。
BANANA FISHを読んでいない人は人間として信用できないぐらいの超超名作です。(信用の基準)
しかもこれ、少女漫画枠で連載してたんですよね~。少女が読むにはハードすぎるだろ。
では、あらすじ行きましょう!
「BANANA FISH」のあらすじ
【漫画版のあらすじ】
1973年、ベトナム。米軍兵士グリフは突如錯乱、同僚を射殺して廃人と化した彼はひとつの言葉を繰り返しつぶやく…バナナフィッシュ。1985年、ニューヨーク暗黒街。非情と暴力が支配するこの街で、ストリート・キッズを束ねる少年がいた。 アッシュ・リンクス。IQ200の知能に超一級の戦闘力をあわせもつ、17歳のアンファン・テリブル。日本から来た少年、奥村英二とアッシュの出会い。 その時、バナナフィッシュをめぐるマフィアとの暗闘は間近に迫っていた…。
引用元:Amazon「BANANA FISH」
【アニメ版のあらすじ】
ニューヨーク。並外れて整った容姿と、卓越した戦闘力を持つ少年・アッシュ・リンクスは、17歳にしてストリート・ギャングをまとめ上げていた。
ある夜、アッシュは自身の手下によって銃撃された男からある住所とともに「バナナフィッシュ」という言葉を伝えられる。
それは廃人同然の兄・グリフィンがしばしば口にする言葉だった。
時を同じくして、カメラマンのアシスタントとしてやってきた日本人の少年・奥村英二と出会う。
引用元:アニメ公式「BANANA FISH」
謎の薬物「バナナ・フィッシュ」をめぐって繰り広げられるアクションです。
主人公は17歳にして町の不良を束ねるアッシュ・リンクス(超絶イケメン)。そして彼を取材に日本からやってきた奥村英二。
ごく普通の少年であったはずのアッシュは、並外れた容姿とカリスマ性、正確に敵を仕留められる身体能力などから思わぬ運命に取り込まれ、狂奔していきます。
そのそばにい続けるのが優しい日本人の少年、奥村英二です。彼は元々才能のある棒高跳びの選手だったのですが、あることをきっかけに飛べなくなってしまっていたのでした。
「BANANA FISH」の超個人的感想
これを超える作品には一生出会えないんじゃないか。
それぐらいの名作でした。読み始めたが最後、ページをめくる手を止めることはできません。無理。不可能。
手に汗握るアクションシーンもさることながら、複雑に憎しみと愛情とが入り乱れる人間模様からも目が離せません。ゴルツィネのくそおやじめ(# ゚Д゚)
80年代90年代のニューヨークの雰囲気をよく描いていて、そこに息づくアッシュたちが本当に存在していたような錯覚さえ起こす生々しさです。
なんていうか、アッシュはどこまでも普通の少年なんですよね。誰かに愛されたくて、友達が欲しかった普通の少年。それを周りの大人たちがぶち壊して、同年代は勝手に神格化して、カリスマとしてのアッシュ・リンクスが出来上がってしまった。
それ自体はとても物凄く不幸なことなんですが、アッシュを特別扱いせずにいい意味で普通の人間として扱う英二が出会ってくれたことで、アッシュのなかでも何かが変わり始める。
ハードボイルドな作風の中にも、描いていることは一貫して「救済」、その一語であるような気がします。
にっちもさっちもいかない残虐&苦しいシーンも大量投下されるので万人におすすめとは大声ではいえませんが、それでもやっぱり人生のどこかで一度は読んでほしい作品です。
あっ、ただ1~2巻あたりだけね!絵がちょっとあれなんだけどそこもご愛嬌ということで!だんだんうまくなる方式です笑
終盤とかアッシュが美しすぎてリヴァー・フェニックス以外の何者でもない(一応モデルらしいです)
「BANANA FISH」が好きな人にはこんな漫画がおすすめ
正直BANANA FISH以降で超えてくる作品はないですね。も、絶対超えらんないもん。
それでもあえておすすめするとしたら、萩尾望都大先生のこちらの作品。
「残酷な神が支配する」
こちらも、どうにもならない運命に抗う二人と救済の物語です。残酷さでいったらこっちのがよりえげつない。虐待の話です。
序盤で脱落者が多数出そうなので一応言っておくと、救いはあります。
文庫版でも全10巻の長作なんで萩尾先生本当におつかれさまでした。
この時代の少女漫画家はなんか宿ってたんですかね。
イタコかな?ってぐらいの憑依系作風が多い。イタコ系少女漫画家。
ライトなとこだと「トーマの心臓」「バルバラ異界」あたりもおすすめです。萩尾先生はSFもめちゃ面白い。
それでは!