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#005 おしゃべりなチャイ様

 ご無沙汰しています。チャイ王国のチャイ様です。

 皆、元気に暮らしていましたか?急に暑くなってきたので、ぴちもぴちゅも、夏の準備とかいうのに忙しそうにしております。僕は、最近また手の先が気になり、ぺろぺろ舐めていたりしたら少し赤くなってきたので、事もあろうかぴちとぴちゅが共謀して僕を「獣医」とかいうところに連れて行こうという計画を立てていた。二人とも僕にばれないように相談していたらしいが、僕をなめてもらっては困る。耳をぴくぴくさせて、しっかりとその計画もお見通しなのである。

 ぴちゅがいつもになく鼻先を撫でてくる。これは怪しいと安全なところに行こうとするが、鼻先を撫でられては、動くことができない。鼻先を撫でながらぴちゅが僕の脇腹に手を回し、次の瞬間体をすっと持ち上げ、自分の体に僕を押し当てた。うーん悔しいかなここ数ヶ月で何となく、この「捕獲」行為にも慣れてしまい。まんまと抱き上げられてしまった。そしてぴちはと言うと、僕を抱えたぴちゅの側で、キャリーと呼ばれる籠の口を開けて待っているのだ。その籠の中に入り、獣医のもとへと運ばれた。

 獣医のことはまた別の機会に会見を開くとして・・・。とにかくこの日の結果は、大したこともなかったようで、炎症を抑える薬を処方されたらしい。

 薬を与える時は、ぴちが話しかけてくる。

「ほら、大好きなりんごですよ。食べてね。」
「あ、りんご欲しい。欲しい。」

 僕がりんご大好きなことを知っているのだろう。すりおろしたりんごの中に薬を混ぜて飲ませてくる。しかし本当にこのリンゴの中に薬が混ざっているのだろうか?むしろ、「獣医」に連れていかれた後は、だいたいこのリンゴが出てくるので、それはそれで悪くない・・・。

「おいしい」(ぺろぺろ・・・)
 そういいながら、あっという間に薬といっしょにリンゴを平らげてしまった。
「もっとほしい。」とケージによりかかってみるが、次の薬の時間までは、決して出てこない。いくらねだっても・・・全く無礼な奴だ。おねだりしているのだから、素直にリンゴを出せばいいのに・・・。

 2022年6月1日(水) 

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