ドジなコウモリの末裔
2024年3月9日
去年の春に関東へ就職して行った次女の部屋が2階にあって、クリスマスに帰省して来た時に「やっぱりまだクーラーの中にコウモリがいる。ここには寝れない。」という。
出産で帰って来るであろう長女のために風呂を綺麗にしたいという事で「業者に清掃を依頼しよう」という話から発展して「そういえばコウモリもなんとかしないとフンとか落ちてて・・・」「え?部屋の中に?」「そうだよ前から言ってるじゃない!」
家を建てた業者が系列会社なのでとりあえず相談すると「コウモリは有害動物なのでペストコントロール協会所属の業者を」紹介してくれて、タレントの小峠に似た感じの業者さんがやって来た。
久しぶりに2階の次女の部屋の窓を開けると、雨戸シャッターのレールにフンが積み重なっている。「これは間違いないですねコウモリです」「昨日ダスキンの人がネズミだって言ってましたけど?」「いや、このフンはコウモリです。おそらくご近所の戸袋なんかも巣食っていると思いますよ。掃除して消毒して隙間を埋める工事をしましょう」
クーラーの室内機をずらしてみると、壁の間からポロポロフンがこぼれ落ちる。「おそらくシャッターの箱の中とクーラーの穴が繋がっているのでしょう。コウモリはネズミなんかと違って歯で穴を開けたりしないからその点は安心です。他にはどうですか?」「越して来たばかりの頃換気扇の中にも時々来ていて」「あぁ良くあります。これもメッシュで塞ぎましょう。
郵送で見積もりをもらう事にして、帰って行った直後、三女がLINEで「玄関はどうだった?」「え?玄関もいたっけ?」「前から言ってるじゃない」
電話すると小峠似さんは他の現場2カ所まわってから、夕方前にもう一度来てくれる事になった。
16時過ぎ小峠似さんが脚立と業務用ネズミコウモリ追い出しスプレーを持って来て、玄関の壁を観察して「小さな穴しかないですけどねぇ」一応スプレーして「換気扇の外側の他にも有りますか?」家の裏側で打ち合わせて玄関に帰って来ると、いた!「いました!出て来ました」「あぁいましたねぇ。こんな小さな穴にいたんですねぇ」
小さな小さなコウモリが苦しそうにぶら下がっていた。
その姿を見て思い出した。この家を建てて越して来て間もない頃、長女が小学校低学年のころだと思う。2階のトイレの換気扇がキーキー音がすると言うので、カバーを外して見てみるとコウモリがプロペラに挟まって鳴いている。
「ドジなコウモリだなぁ」「ドジなコウモリだぁ」まだ幼い娘達と笑ったものでした。
玄関であえいでいるこいつもきっとあのドジなコウモリの末裔に違いないと思うのでした。
ちなみに「コウモリは鳥獣保護法で殺しても飼ってもイケナイ事になっている」のだそうで「暗くなれば飛んでいくのでそれからコーキングで穴を塞ぐと良いですよ」だとさ。
その後1時間ほどで暗くなり始めた頃、いなくなってました。
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