VTRの職人vsノンリニア続編(TBC22)
ノンリニアを導入するにあたって、問題点がいくつかありました。
テスト運用している最中に結構壊れる。
いわゆるバグですね。
そのバグ潰しのためにソニーテクトロニクスの工場まで行ってバグ潰しを行いました。私達B社編集マンは野球の現場で1分1秒に追われながら編集する事が常だったので、機械の操作速度が尋常でなく速い。その速度にコントローラーとアプリが付いて来れない事態に陥ったのです。
それを対策するために工場に詰めてコア部分を作るプログラマーが修正して、試し、また修正してを繰り返しテストしました。
そしてようやく、我々の操作の速度に追いつく性能と、よく使う機能の反応順位を上げることに成功し、安定して動作できる様になりました。
さぁ出番だノンリニア!
機械も技術も揃った。けれど我が国の組織というやつはそんなに簡単に食い込めるほど甘くはありません。最後に幅を効かせるのは政治力です。
熟練の職人達が長年作り上げてきた中に割り込むには新しい技術だけでなく、新しい演出・表現が必要でした。野球中継の中の新しい演出、それは今では当たり前になっているイニング間ハイライトでした。
大崎の工場に詰めProfileのイベント送出機能を高速化した事で、通常はいくつかのシーンを並べて出すための機能を1カット毎並べて編集してしまう機能に上げたのです。
プロ野球中継はイニングの裏表ごとにCMが入ります。そのCMに入るタイミングで今終わったばかりのハイライトシーンを編集して放送したのです。もちろん日本初でした
そしてゴルフ中継へ。
こちらも結局はハイライト編集だけが仕事になりました。(もちろん日本初)
他には冠スポンサーの提供映像や当日朝の練習風景や前日のハイライトをライブラリに入れる事でVTRを取っ替え引っ換えせずに即出しできる強みも出せました。
しかしProfileの性能はこんなもんじゃない。
私は次なる演出を計画しました。(つづく笑)