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進むは吾が往くなり

20年くらい前だったでしょうか、人生3つ目の会社に就職してビックリしたのは「この会社は明治維新前か?」と思う様な機会が多かった事でした。3人の幼子と妻を連れてUターンして来たからには簡単に辞めるわけにもいかず、何とか同じ様な価値観を身につけようと考えて、時代小説を読んだり、論語を読んだりした時期がありました。
論語は15歳で学を志して40歳で惑わなくなった孔子様のお言葉で、凡人の極みにあって40歳過ぎてから惑い始めた私などには到底辿り着けない境地なのですが、ひとつだけ妙に気に入って機会ある毎に引用する言葉があります。
「子曰、譬如爲山、未 一簣、止吾止也、譬如 地、雖 一簣、 吾 也」
[子(し)の曰(のたま)わく、譬(たと)えば山を為(つく)るが如し。未だ一簣(き)を成さざるも、止(や)むは吾(わ)が止むなり。譬えば地を平らかにするが如し。一簣を覆すと雖(いえ)ども、進むは吾が往(ゆ)くなり。]
『論語 (岩波文庫)』金谷 治著
山を作ろうとしてあとひとカゴで完成するのにやめてしまうのは自分でやめてしまった事だし、地を平らにしようとして、わずかカゴ一杯の土をひっくり返しただけでも、自分がやると決めたならば進んでいるのだ、と。

だから何だって聞かれてもアレですが、ふいに思い出したんです。
たぶん嘱託の勤務先異動を願い出たせいでしょう。笑

扉絵はAIさん作画の孔子廟です。
行った事無いんで正しいかわかりませんが。

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