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The OPEN Championship(TBC17)

日本で桜田門外ノ変が行われ大老井伊直弼が暗殺された年、1860年にイギリスではゴルフの世界大会が始まりました。「The OPEN」です。イギリス人はこの大会が世界で初めて行われた世界選手権である事から地域名も競技名も記さず「The OPEN」と名乗る事に誇りを持っています。
1994年7月、私はスコットランドサウスエアシャー州にあるターンベリーゴルフクラブのアイルサコースに立ちました。言うまでもなくゴルファーとしてはなく、中継スタッフとして長年の目標に到達したのです。
上の絵は例によってAIさんに描いてもらったのですが、だいぶ違います。
https://www.ets77.com/category/1828834.html
1869年頃に出来た由緒あるゴルフコースでしたが、今はあのドナルド・トランプに買い取られた挙句、色々な発言を巡ってR&A(ルール&組織)と揉め、The OPENのコースから外されてしまいました。(悲しい)
倉庫の中を探し回れば写真ぐらい出てくるでしょうが、それもなんだかいじましいのでやめておきます。
それはさて置き中継技術の話になりますが、日本から持って行くのはわずかな機材でほとんどは現地調達です。ENG、中継車、収録機、編集機、イギリス国営放送の下請けのプロダクションと契約しスタッフも含めてレンタルです。私が常駐する収録&編集室にも現地スタッフが2人いて、気のいい兄さん達でした。
中継車からインカムで「BBCからエントリーリゾルトが来るから収録しといて」「はい、回ってます(VTR収録中です)」の会話を聴いて憶えてくれたらしく、私が忙しくてインカムを触れない時には合図を送ると「mawatte masu」と答えてくれたりしました。
私はその後6年ほど全英ゴルフの中継スタッフとして通うことになったのですが、スティーブやマーティンとは何度も仕事を共にしました。
Video Audio Colour Tape 基本的に英語でできている技術用語は恥ずかしがらずに巻き舌で喋れば通じます。が意外と苦労したのはフレーム数でした。日本では30フレーム(偶数)で1秒のところがイギリスでは25フレーム(奇数)なんです。日本にはカラーフレーミングという考え方があって基本的に美しくカット替わりするためには偶数フレームで切るべきなのですが、それが染み付いてる体に奇数が刺さる(笑)
まぁそれも早朝4時から白夜の23時頃まで編集に明け暮れると慣れるってものです。

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