終身雇用制度の問題点

“終身雇用制度のもとで、被雇用者は賃金交渉力を抑えられてきた。…年功序列型の賃金体系や私的職業斡旋の禁止によって、被雇用者は転職の自由も奪われていた。…終身雇用制度を雇用者側の労働の一山買いであったと見なしてもよさそうである。終身雇用制度が正常な市場ならば労働者に帰属すべき交換の利益を労働者から奪ってきたようにみえるということである。”
『「質の時代」のシステム改革』 矢野誠 p100

経済学的に考えると、労働の一山買いは雇用者側(経営者側)に有利である。
新卒一括採用・終身雇用制度は労働の一山買いと見なしてもよさそうである。

“雇用者と被雇用者の間の取引において雇用者側が非常に大きな独占力を保有すると、正常な賃金よりも大幅に安く雇用を行うことも理論的には可能である。”
p7

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