一般基準 8 守秘義務

監査人は、業務上知り得た事項を正当な理由なく他に漏らし、又は窃用してはならない。

一般基準8

監査人は、/適正な財務諸表を作成する責任は経営者にあること、財務諸表の作成に関する基本的な事項、経営者が採用した会計方針、経営者は監査の実施に必要な資料を全て提示したこと及び監査人が必要と判断した事項について、/経営者から書面をもって確認しなければならない。

実施基準三8

守秘義務は、一般基準3の「職業的専門家としての正当な注意」に含まれる。

監査人が財務諸表利用者に対し、自ら行った監査に関する説明を行うことは、監査人の職責に含まれるものであり、監査人の守秘義務が解除される正当な理由に該当する。

◎ 守秘義務の対象となる業務上知り得た情報
・ 監査人が担当した被監査会社に関する情報
・ 監査事務所内で入手した、自らが監査を行っていない会社に関する情報

◎ 守秘義務が一般基準の一つとされている理由
守秘義務違反は、被監査会社との相互信頼関係を損ない、監査業務の効率的な遂行を妨げる原因ともなりかねないため、独立した基準として規定された。また、職業倫理の上からも許されない。

倫理規則第2条9項

■監査基準の改訂2002
監査人が監査業務上知り得た事項を正当な理由なく他に漏らしたり、窃用することは、職業倫理の上から許されないことは当然であり、そのような行為は監査を受ける企業との信頼関係を損ない、監査業務の効率的な遂行を妨げる原因ともなりかねないことから、敢えて一般基準の1つとして維持することとした。

監査人の交代に当たっての前任監査人からの引継ぎ
・親子会社で監査人が異なるときに親会社の監査人が子会社の監査人から情報を入手すること
・監査の質の管理のために必要な外部の審査を受けること
などは監査の充実に関連することであり、そのような場合には、関係者間の合意を得るなどにより、守秘義務の解除を図る必要がある。

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