監査基準の必要性
・監査の証明水準の担保
・監査人の責任範囲の明確化
公認会計士による財務諸表の監査は、財務諸表の信頼性を担保するための制度であり、/その規範となる監査基準は、財務諸表の作成規範である会計基準とともに、適正なディスクロージャーを確保するための資本市場の重要なインフラストラクチャーである。
★監査人の資格及び条件について基準を設ける理由
① 相当の専門的能力と実務上の経験とを備えた監査人にして初めて、有効適切な監査の実施が可能となる。
② 高度の人格を有し、公正なる判断を下しうる立場にある監査人にして初めて、依頼人は信頼して監査を委任できる。
監査人の資格及び条件について基準を設ける
→「監査制度の確立及び維持」
(基準がなければ、有効適切な監査や監査の委任は実現されない。)
★監査人の判断を規制すべき一定の基準を設け、遵守させる理由
① 監査の専門的能力や実務上の経験は、個々の監査人によって差異があり、/選択適用される監査手続の一切を監査人の判断に委ねては、必ずしも社会的信用を得られない。
② 監査の実施に関して公正妥当な任務の限界を明らかにしなければ、監査人の責任が過大なものとなる可能性がある。
監査の信頼性を高め、任務の範囲を限定するため、/「監査人の判断を規制すべき一定の基準と、その遵守」が必要となる。
監査基準の設定は、徒らに監査人を制約するものではなくして、むしろ監査人、依頼人及び一般関係人の利害を合理的に調整して、監査制度に確固たる基準を与え、その円滑な運営を図ろうとするものである。
参考:
大蔵省企業会計審議会中間報告「監査基準の設定について」
1956年12月25日
★監査基準を公表する理由
監査に関する適切な理解を促し、監査人の責任を明らかにする。