監査要点と監査意見の関係

<マクロからミクロへ>

監査意見の対象は財務諸表の適正性である。

財務諸表の監査の目的は、経営者の作成した財務諸表が、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、企業の財政状態、経営成績及びキャッシュ・ フローの状況を全ての重要な点において適正に表示しているかどうかについて、 監査人が自ら入手した監査証拠に基づいて判断した結果を意見として表明することにある。

監査の目的1

財務諸表全体の適正性は監査人にとっての要証命題であるが、大局的・抽象的なものであり、直接立証することはできない。

監査人は、直接的に立証可能な財務諸表の構成要素レベルまでブレークダウンし、それらについて監査要点を設定する。
設定した監査要点ごとに監査手続を実施し、監査証拠を入手する。

<ミクロからマクロへ>

個々の監査要点に関して立証した事項を積み上げて統合化し、財務諸表全体の適正性に関する自己の意見を形成するに足る基礎を得て、監査意見を形成する。

監査人は、自己の意見を形成するに足る基礎を得るために、経営者が提示す る財務諸表項目に対して、実在性、網羅性、権利と義務の帰属、評価の妥当性、 期間配分の適切性及び表示の妥当性等の監査要点を設定し、これらに適合した十分かつ適切な監査証拠を入手しなければならない。

実施基準一3

監査人は、監査意見の表明に当たっては、監査リスクを合理的に低い水準に
抑えた上で、自己の意見を形成するに足る基礎を得なければならない。

報告基準一3


*キーワード
財務諸表を階層的に細分化/経営者の提示する財務諸表項目に対して監査要点を設定/立証目的の特定/自己の意見を形成するに足る基礎

*財務諸表の適正性を間接的に立証している
財務諸表項目→監査要点→監査手続→十分かつ適切な監査証拠→自己の意見を形成するに足る基礎→監査意見

【コメント】例示と図解により理解する。監査論の代表的な論点なので、理解と暗記が必要な箇所。

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