宇宙ビジネスと20年

宇宙ビジネスは間違いなく巨大産業になる。遅れて参入した日本勢はホント頑張らないとね。


イーロン・マスクのスペースXは2002年創業であり、すでに20年近い歴史をもつ、いわば老舗だ。マスクの巨大資産で一夜にして登場したわけではない。


そのイーロン・マスクも、じつはAmazonのジェフ・ベゾスの追従者でしかない。ベゾスのブルー・オリジンの設立は2000年。前年のAmazonの総売上はECなのにたったの1640億円。もちろん盛大に赤字だった。


じつのところ新しいビジネスというのは20年スパンなのだ。ビル・ゲイツがマイクロソフトを創業したのは1975年。大成功したのはWindows95だから、きっちり20年だ。


多くの90年代に活躍したマイクロソフト幹部などが、退社後VCを始めるにはわけがある。アメリカ人のベンチャービジネス幹部ならば(ボクもそうだが)50才前までにある程度の資産を確保して、あっさり会社を辞める。


それを20年スパンで若いベンチャーに投資すれば、1000倍になる可能性があることを体感しているのだ。100万円投資して上手く行けば10億円だ。50歳すぎでリアイアして、自分でビジネスをはじめても、さすがに20年間は体力も気力ももたない。だから若者に投資することになる。それをエンジェルという。


ともあれだ。われわれVCとしてはこのディスカッションに出演している若手経営者に面接して、はたして20年間やり続ける人物かどうかを知りたいのだ。途中失敗しても20年やり続ければ1000倍だ(じっさいゲイツの初期投資50万円は20年後に5兆円になった)短期的なIPOだけを狙っている人には絶対に投資しない。リスクがあるにもかかわらず投資リターンが数倍にしかならないからだ。IPOなど山登りの1合目程度でしかない。


アメリカに比較して日本がダメなのは(ヨーロッパもたぶんそうだ)、5年から10年程度の短期的利益を狙うからなのだ。ましては大企業は四半期でしかビジネスを見ていない。20年後には墓に入っているような爺さんを経営者にしたらダメなのだ。株価が低迷する要因でもある。

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