エッセイの書き方@SNS
一昨日、ふと英会話上達のコツについて投稿してみたところ、1300を超える「いいね!」と80シェアされた。すっかり気を良くしていたのだが、なかにはこんなコメントもいただいた。
ありがたい限りである。では、ボクがどうやって書いたのか手の内を明かしておこう。ちなみに元投稿の前半部はバーボンを飲みながら10分ほどで書いた文章だ。
じつはこの投稿では都知事カイロ大学卒業問題について、何かを書いてみようと思っていたのだ。起承転結の「起」にあたる第1段落では、カイロ大学を卒業してようがしてまいが、アラビア語は難しいよね、だから都知事のアラビア語能力を第3者が評価すればいいのにね、というほどの書き出しをするつもりだった。いい加減なものだ。
しかし、その段落を「文法も発音もなにもかも大変」という文で締めくくってみた瞬間、流れが変わってしまった。次の1行だけの段落「英語だけがバカみたいに簡単なのだ」が鮮明に思い浮かんだのだ。
一発でアラビア語から英語に話題が飛んでしまった。書いている本人も驚いた。仕方がないので、次の文を書こうとしたところ、「英語だけがバカみたいに簡単なのだ」のバカという言葉に脳が反応して、トランプの顔が思い浮かんだ。トランプの演説といえばVery Veryなどの単語の重複だ。ともあれ、あと数行でも書いて映画英語のほうがビジネス英語より難しいと締めくくるつもりだったのだ。
しかし、それでは文章が短いし、読者にとって新鮮味もない。ここでサービス精神が働いた。職業的に文章を書くものの本能だ。そこで英会話の上達法を付け加えたということだ。
つまり、最初からなにかの主張をするための「文章」を書こうしたわけではなく、頭の中に思い浮かんでくる個々の「文」を忘れないうちに、あわてて書き写したという感じなのだ。結論を決めないことこそがエッセイのコツだ。
英会話の上達法についてはさすがに手がかかっている。20分ほどかかったはずだ。なにしろメリル・ストリーブの演説を最初から最後まで見た。彼女の名前を思い出せずに、まず「プラダを着た悪魔」から検索した(笑)
ちなみに英会話の元投稿の編集履歴を見てみると、10回ほど書き直している。しつこい推敲と赤入れだけはわかりやすい文章を書くうえで絶対的条件であり、これこそがプロの技術なのかもしれない。それゆえにわかりやすい文章は芸術ではなく、漆芸や金工のような工芸に近いと思う。
ともあれ、文章の書き方についてご興味あるかたはいますかねえ。わかりやすい文章を書くための本を書こうと思っているところです。発売は半年後ですかね。