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通院介助 その1

 福祉サービスを利用していく中で、通院に支援が必要な時にはヘルパーさんと行くことができる。
 ただ、ちゃんと利用者も理解しておかないといけないこともある。
※僕の経験で書いているので、事業所や市町村で対応が違うかもしれません。

まずは、制度上のこと

 介護保険法での訪問介護のうちの「通院等乗降介助」

 「通院等乗降介助」とは、介護保険における訪問介護の一形態であり、居宅要介護者について、通院等のため、指定訪問介護事業者の訪問介護員等が自らの運転する車両への乗車又は降車の介助を行うとともに、併せて、乗車前若しくは降車後の屋内外における移動等の介助又は通院先若しくは外出先での受診等の手続、移動等の介助を行った場合に、介護給付費の算定をすることができるもの。

 障害者総合支援法での居宅介護のうちの「通院等介助」「通院等乗降介助」

 「通院等介助」とは、障害者総合支援法における居宅介護の一形態であり、
(1)病院等に通院する場合
(2) 官公署(国、都道府県及び市町村の機関、外国公館(外国の大使館、公使館、領事館その他これに準ずる施設をいう。)並びに指定地域移行支援事業所、指定地域定着支援事業所、指定特定相談支援事業所及び指定障害児相談支援事業所。以下同じ。)に公的手続又は障害福祉サービスの利用に係る相談のために訪れる場合
(3) 指定地域移行支援事業所、指定地域定着支援事業所、指定特定相談支援事業所及び指定障害児相談支援事業所における相談の結果、見学のために紹介された指定障害福祉サービス事業所を訪れる場合
 に、介護給付費の算定をすることができるもの。

この2つについて共通していることは、
 ①通院に関する準備や片付けの支援
 ②医療機関に行くまでの交通機関内での介助、乗降の支援
 ③支援がいる場合の院内移動
 ④医療機関内での薬の受け取り、手続きの支援
 ⑤処方箋を受け取り、薬局での薬の受け取り
ができる、ということ。
 ⑥診察時の対応
 ⑦待合時間、見守りのみ、支援していない時間の報酬の算定
はできない(報酬としては算定できない)、ということ。
 医療機関と書いた中で、総合病院、クリニック、診療所の区別はなく、利用できるようになっている。

 ③の場合は、下記のようになっています。

 院内付き添いが訪問介護の報酬として認められるケースとして厚生労働省があげているのは以下の3点を満たすケース。
・適切なケアマネジメントを行った上で
・院内スタッフ等による対応が難しく
・利用者が介助を必要とする心身の状態であること
  ☞院内の移動に介助が必要な場合
  ☞認知症その他のため、見守りが必要な場合
  ☞排せつ介助を必要とする場合など
 となっている。

 「適切なケアマネジメント」というのは、本人のアセスメントを行ない、医療機関との連携や情報提供をした上で、ケアプランに記載されていること、である。ただ、市の福祉課が認めるかどうかは分からない。この事は、障害福祉サービスも同様です。

 その一方で、共通していないことは、
 ①障害福祉サービスの場合では、病院以外でも市役所、公的機関、事業所見学のための移動で利用できる。
 ②障害福祉サービスの場合は、「身体介護有り」「身体介護無し」という区分がある。身体介護「有り」「無し」は、障害支援区分や認定調査の結果を踏まえて決めることになっていると思います。「車いす利用者」だから、「身体介護有り」となるとは限らないようです。

気をつけてほしいこと

 基本的には、家族と同居している場合は、「家族が行うこと」になっています。どうしても、同居家族では難しい場合は、介護支援専門員や相談支援専門員に相談していく。家族で、毎回、毎月の対応が難しい場合では、きちんと役割分担をしながら、通院の支援をしていると思います。ただ、日々の状況は、家族との話し合いや情報共有をしておく必要があります。

 それと、グループホームや施設に入所している場合は、通院時のヘルパー利用ができないことが多く、「入所施設の職員」が対応することがほとんどだと思います。(市によって違いがあるかもしれませんので、確認してくださいね。)

 また、移動手段は、ヘルパーさんが運転する車、公共交通機関、介護タクシー、徒歩となってくると思います。このなかでも、介護タクシーでは「院内での介助はしません」としている時には、医療機関の職員、家族が対応すると思います。ヘルパーが運転することが全くダメではないと思いますが、少し心配なところもあります。

診察時の対応

 診察室の中にヘルパーは入れるのか、というと基本的には「入れない」。ただ、病状に関する近況を伝えたり、医師からの話を聞く必要がある。そのうえ、本人が診察室内で落ち着いて対応できないかもしれない。医師とのコミュニケーションが取れずに、後で再びヘルパーが聞き直すことがあるかもしれない。
 また、聞き取りと薬の相談だけで終わることもあるが、検査や採血等がある時には、本人のADLに関する援助が必要になる。例えば、移動、衣服の着脱、排泄(採尿)等。この場合は、少々時間がかかるから、医療スタッフではやりにくいかもしれないから、ヘルパーが行うこともあるかもしれない。

 「餅は餅屋」と言われるように、専門的なケアは専門職に任せた方が安心とは思いますが、それぞれの信頼関係や「できること」「できないこと」の役割を踏まえたうえでの連携がこれからもますます進んでいけばいいな、と思っています。

 1回で終わらせるつもりでしたが、まだ書いたほうが良さそうなので、「その2」に続きます。
 よろしくお願いいたします。

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