実家の片づけシリーズ~謎の和装小物
母から受け継いだ、珊瑚で出来たっぽい<何か>。
中心部から端に向けて細くなっていき、端はS字の金具になっている。濃いなす紺のベルベットの箱の中には、有名和服店のブランドロゴ、「伊呂京可」という単語、¥2500の文字が書かれた紙がある。
母曰く「何か、和装小物らしい。帯飾りか何かじゃないか」とのことなのだが、普段和服など着ない自分には、どのように使うのか皆目見当がつかない。
「伊呂京可」でググると、同じような形状で、おそらくは象牙で出来ていると思しき物体の画像が出て来た。ページはヤフオクで、出品者の方も、押し入れから出て来たもので詳細はよくわからない、と書いている。
帯飾り、和装小物、アンティーク、珊瑚……思いつく限りの言葉を検索窓に入力し、グーグル先生を詰問して、ついに判明。
「羽織紐」!
ボタンやファスナーが付いていない、和服の羽織の前を止めるためのものらしい。ちなみに、写真のように珊瑚やビーズ、パールなどの、ヒモ以外の素材で作られたものでも、「羽織紐」と呼ぶらしい。
謎は解けた。
しかし、羽織なんて持ってないのにどーすんのこれ、である。
綺麗な珊瑚でできたそれを捨てるには忍びない。しかし売ろうとしても二束三文、どころか売れるものだろうか……いっそ、ブレスレットかネックレスなどのジュエリーにでもリメイクできないか。
そう考えて、羽織紐、リメイクで検索すると、やはり、考えることは同じとみえて、既にやっている方がいた。
おお、美しいブレスレット、こっちはネックレスか……そうして、ジュエリーのリメイクを手掛ける、ジュエリーショップの紹介ページへとたどり着いた。
物を受け継ぎ、生かすにも、金がかかるものである。うーむ。
(おわり)
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