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レース中止騒動〜ナミブ砂漠250kmマラソン完走記その4〜

改めて、僕が出場したのはナミブ砂漠250kmマラソン(SAHARA RACE 2016)だ。

でも本来なら、1つ前の「SAHAR RACE 2015」(ヨルダン開催)に出場するはずだった。
そしてそのレースは、開催直前に中止が決定した。

理由は、ヨルダンでのISISテロがレース直前にドンピシャで起こってしまったから。情勢不安の危険によるためということだった。

この時も話が少しややこしい。

本来は、エジプトのピラミッドで感動のゴ〜〜ル!
というのが2014年までのサハラレースの象徴だったというが、
まずエジプトの情勢不安により、2015年はヨルダン開催に変更。

そこからさらに、開催直前にそのヨルダンでテロが起こってしまったのでやむなく中止、という流れ。

世界中に、このレースのために心血を注いで準備をしてきたひとがいて、
僕もその一人、、、だったと思う。
一緒に練習をし、食料会議を開いたりした初参加仲間も、おんなじだ。

当然ながらいろんな都合をつけて準備してきた中で、直前1カ月を切ってからの中止決定。

これは、なかなかしんどい。

返らぬ飛行機代。
返らぬエントリーフィー。

エントリーフィーに関しては、別レースへの参加権がもらえたので、次回以降のレースに出場の都合をつけることさえできれば計算上の損はないことにはなる。

ただ、僕はどうしても「サハラレース」に出たかったので、正直かなり落ち込んだ。いろんな予定も崩れに崩れた。
参加予定の仲間も困惑し、焦り、怒り、悲しんでいた。

でも、一番心苦しく大変なのはきっと主催者の皆さんだし、決まったものは仕方がない。
僕は僕のコントロールできることの中で頑張るしかないのだ。

ということで僕は一旦、砂漠挑戦を諦めるほかなくなった。

そしてテンションのピークで肩すかしにあったことで、自分の内部から急速にその熱が引いていくのを感じていた。

その年のゴビ砂漠やアタカマ砂漠のレースに出場しようというモチベーションも湧いてこなかった。

そして今回、一年越しにナミブ砂漠250kmレース(SAHARA RACE 2016)に挑戦するに至ったというわけだ。

エントリーした日からは実に2年近い年月が経った。

正直、1年のブランク後に熱意を再び最高潮に持って行けたかというと、それは厳しかった。

言い訳になるが仕事の過渡期で休みがゼロかつ深夜までハードワークが続いたため、練習もまったくできていないに等しかった。

2014年にフルマラソンサブスリーまで高めていた走力は、サブ4できるかどうか怪しいぞ? という程度にまで落ち込んでいた。

でも、今思えば、2015年のヨルダンでのレースが開催中止になってよかったと思っている。
悲しくて残念だったことも、もちろんたくさんある。

ヨルダンでのレースにともに参加を決意した仲間の数人とは結局、一緒に砂漠を走るということが実現できなかった。
せっかく仲良くなれたのに、残念すぎることだ。

でも、そこから生まれる新しい出会いが、新しい経験が、新しい自分がそこにはある。

そう、それはつまり、

そういうこと

なのだ。

砂漠の教訓その4

人間万事塞翁が馬

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