見出し画像

行事ラッシュの10月です!

 夏が終わり、10月に入って、まこと保育園もにわかに活気づいてきました。行事ラッシュの10月がやってきたのです。
 コロナ禍で雌伏の2年を過ごし、今年からは少しずつ平常時に戻すため、より行事らしく、できる範囲での「参加型」でやってみよう!ということに。
15日に運動会を、30日に法人ぐるみのバザーを予定しています。その間に芋ほり遠足(@千葉県)もはさまっていたりして、子どもたちにとっては、最高の10月です。

 子どもたちは楽しそうに運動会の練習にいそしみ、職員は保護者の有志や委員のみなさまと一緒に着実に、運動会とバザーの準備を進めています。保護者のみなさま、ご協力ありがとうございます!

 私のように異業種から転職してきた者にとって、こういう目まぐるしさは初体験。子どもたちからすると、こんなに楽しいことがいっぱいの月も、そうそうないだろうなぁと思います。
 みんなで何かひとつのこと(10月は3つもありますが)にパワーを傾ける体験は、子どもたちのイキイキした表情や活動の様子を見ていても、幼児期にとても大事だと改めて思わされます。傍から見ている私ですらそう感じるので、保育者の意気込みたるや、並大抵のものではないでしょう。

 インスタグラム(makoto_fukagawa)でも何度かに分けて、運動会に向けた子どもたちの取り組みを紹介しました。

特に子どもたちが自分で編んで作る「マイ縄跳び」は、私も実際に見るのは初めて。聞くのと見るのとは大違いで、その板についた「仕事ぶり」に目をみはりました。

 練習用の三つ編みで合格をもらわないと、本番用の縄跳び編みに進めません。
 太めのひもを使って行う練習用の三つ編み合格の条件は、手で持ったときに、そのまま直立をキープすること。しっかり力を入れてギュッと編み込まないと、しおれた植物のように三つ編みはだらんと倒れてしまいます。
 解いては編み込み……を何度も繰り返してコツをつかむと、三つ編みはピンと直立するように。三つ編み経験ゼロの私は「お~立ってる!」とそれだけでびっくりです。

練習用の三つ編みひも。信号機カラーで編み目がわかりやすい。

本番用の縄跳びは、細長く裂いた3本の布(各1.6m)を使って編んでいきます。布は何色も用意されているので(職員が廊下の隅で懸命に布を裂いている姿を目撃)、子どもたちは好きな色を選んで組み合わせていきます。

 その三つ編みの姿がなんとも職人気質。集中して行える場所を選んで腰をおろし、端を結んだ3本の布をおもむろに足の指ではさんで固定すると、ずんずん三つ編みしていきます。
「おお、伝統工芸の職人みたいじゃないか」と、その堂に入った姿に感嘆しました。ふだんはしゃいでいるときとは、表情がぜんぜん違うんですね。

足指にぐっと力を入れて布を固定。日常生活ではない動きかも。


 もちろん、気分のムラもあるので、さっと作る子、なかなか取り組まない子、それぞれ。保育者はそれとなく活動をうながしますが、あくまでその子のスイッチが入るのを待っています。

 そうやって出来上がった、マイ縄跳び。子どもたちの数だけあるバリエーションが色とりどりで、とてもきれいでした。
 そんな縄は、縄跳びで使っているほかに、綱引き、ブランコ、クライミングロープ、ベルトなどなど。子どもたちが遊びの中で好きに使い方を考えて、いろいろな使われ方をしています。それでも切れたりほつれたりしないので(多少くたびれた様子が見えますが)、とても丈夫に編み込めているんですね。

 指先の巧緻性や集中力を養う活動であることはもちろん、布が縄に形を変えるというプロセスも、ものづくりの原点を体験する意味で重要でしょう。これから時代が移り変わっていっても、続けていきたい活動です。

それぞれの好みが反映されます。

「後にいる者が先になり、先にいる者が後になる」
 先日、聖救主教会の西平司祭が聖書の話をしてくれた際に、教えてくれた聖句(聖書の一節)です。
 人それぞれに得手不得手があって、そういう意味では誰しも平等です。
 絵を描くのがうまい、歌をうたうのがうまい、運動が得意。運動の中でも、走るのが速い、ボールを投げるのが得意、体操が得意、などなど。
 様々な場面で(細分化すればするほど)、私が輝くところが見つかるでしょう。

まこと保育園の運動会は、副題に「ひとりひとりがかがやく」と掲げています。
 先ほどの聖句にあるように、あるときは後になったり、あるときは先になったり。いろんな競技・遊戯がある中で、お互いの得手不得手を認め合って(比べるのではなく)、自分の、そして友だちの輝く瞬間を見つけて欲しいと思います。
 そして、1番になった子を称賛し、うまくいかなかった子を励ます。そんな体験を幼児期に積み重ねるためには、「一生懸命やった」「真剣にやった」がベースにないと「心からの気持ち」を相手に伝えることもできないでしょう。まこと保育園が運動会をガチンコでやる理由のひとつです。
 もちろん「マイ縄跳びがとても上手に作れた」ことも、準備も含めた運動会の中で、立派に自分が輝いた瞬間でしょう。

 大人はややもすると、「こんなことが上達して意味あるの?」とか「それを一生懸命やって何になりたいの?」とか自分で考えたり、他の人に言ってしまったりしがちです。でも、自分が輝く瞬間を他人と比べる必要なんてありませんし、「自分には大事」なこと、「私だけが得意だと思っている」ものを、大切にしたり、ひそかに誇りにしたっていいですよね。
 他人を気にせず「ハマったことには一生懸命」。人生を豊かにするには、そんな自己満足的なマインドもいっぽうで必要だと思います。

 だから、行事を一生懸命、みんなで行う意味を、まこと保育園では大真面目に考えています

 運動会まで残り数日。天気はぎりぎりもちそうな……。

(文・まこと保育園 渡邉)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?