嫌な仕事でぬるま湯よりも、好いた仕事で無理が良い?-アダコテックで半年修行したら、10年分の成長を得られました-
こんにちは。製造業×AIのアダコテックで営業企画をしている阿部と言います。
私は元々、機械系メーカーの商品企画部で5年間働いていたのですが、 ”レンタル移籍(*)”という制度を使い、半年間の期間限定でアダコテックに在籍していました。(*22年4月〜22年9月末の期限付移籍。大学における留学制度の会社版、というイメージ)
私が元いた会社は、ザ・古き良き日系企業。一方でアダコテックは新進気鋭のスタートアップ。やっている競技が全くと言っていいほど違いました。
この半年間、その2社の "仕事の仕方の違い(頭の使い方の違いと言ってもいいかもしれません)" によって、私は多くの壁にぶち当たり続けることになります。ただ、もがき苦しんでいる当時の自分に伝えたい、「半年で10年分の成長ができるよ」と。
もし私の経験が、この記事を見ている方のお役に立てばと思い、自分自身の振り返りも込めて筆を取ってみようと思います。
ちなみに、アダコテックのカルチャーについては、以前こちらに書いたので併せて読んで頂けると嬉しいです。
ベンチャーに不向きな性格!?(そして私は動けなくなった。)
そもそもの私の性格はというと、
「石橋を叩いて壊す」くらい慎重で臆病。何かやろうとするものの、結局変化は起こせない、そんな人間でした。
また、「上から言われたことに疑問を持つ」、なんてもってのほか。そんなこと思考してこなかったいい子ちゃんな私です。言われたことをただ実直に、正確に。
自分で書いていて悲しくなってくるのですが、絵に描いたような旧型人間です。それって仕事じゃなくてただの作業ですよね。っと今では思えるのですが、しかし当時は本当に「もらった仕事を正確無比にシュバババッと処理していく」、そんなドラマでよく見るようなエリート社員像が、私の中での仕事できる人像でした。言われたことを120%でこなすことが付加価値だと思っていたんですね。
ただそれでも、機械系のメーカーであればそのやり方で問題なかった(と思っていた)んです。仕事の進め方にある程度のノウハウや正解がすでに存在していて、そしてそれはたいてい年配者が知っている。年の功、情報の蓄積がモノを言う世界だったので、上の言うことを聞いていれば大局で間違いは起きないんです。
そんな性格とマインドでいたもんですから、案の定、アダコテック入社1週間で混乱に次ぐ混乱に陥ってしまいました。
例えば以下。これらの違いが私を苦しめることになります。
(大手企業とスタートアップの両方を経験したことがある人なら、この表を見て、今画面の前でヘッドバンギングしているのではないでしょうか。)
元いた会社とアダコテック、どちらが良い悪いの話ではないのでしょうが、当時の私は無力感だけに支配されていました。
”仕事は自分で作るもの”という発想自体がなかった私の、とびきりの純真無垢さで「手が空いているので何か仕事ください!」なんて上司に言いにいっていたことを懐かしく思います。もしタイムマシーンがあったら、当時の自分に「いや、自分が何をしたいんか言わんかい!」と首チョップをお見舞いしに行くところですが、とにもかくにも、そんな調子で過ごしていた私は、"なにかやっている感"だけを漂わせている社内ニート状態になってしまったのです(多分そんな日は1~2日だけだったのでしょうが、体感1~2ヶ月に思えました)。なにかしないといけないけれども何をしたらいいか分からない、だから行動に移せない、という負のループですね。ループへの入り方が綺麗すぎて芸術点高い。お前はフィギュアスケートやっているのかと。
言葉は同じでも意味は違う!?に気付く
上述したような行動・マインドの違いの数々、または会社の持つ文化的背景によって、日頃我々が当然のように使っている単語も、一つ一つの持つ意味が変わってくることにも気付きました。
例えば…
安定
・私:会社が潰れないこと
・アダコ:食いっぱぐれないビジネス戦闘力
(前提として、新卒採用中心の日系企業か転職者が大半を占めるアダコテックかでの違いはあるものの、)アダコテックはまだまだ小さな組織であるため、会社のフェーズ的にも皆ができるだけ被りなく仕事をする必要があります。それゆえ、採用段階で、その分野のエキスパートを連れてくるということを強く意識していますし、皆がそれぞれ役割を持って入社してきます。そもそもが会社に依存したいという考え方をしていないんですね。
スピードが速い
・私:作業速度が速い
・アダコ:反省を次に活かすのが速い
スタートアップのスピード感ってよく耳にしますよね。ただ、スピードと一言で言っても、いろいろな変数があります。スタートアップ界隈でも違いがあると思います。私が思うアダコテックでのスピードが速い要因は、「最も確からしい仮説を持って、それを検証する、だから後戻りが少ない」という点かと思います。PDCAで言うところの、Pには比較的時間をかけます。思考速度が人並み外れているとか、そういうことではありません。
取り敢えずやってみる
・私:よく分からんが手をつける
・アダコ:仮説をぶつけに行く
これも上記と同様、仮説検証になっているか否かが全く異なると感じます。日系企業あるあるだと思うのですが、行動に対する達成基準や目的が曖昧なので、やってはみたものの誰も責任が取れず、次第にあやふやになる、といったことは多発しているのではないでしょうか…?
フラットな組織、裁量がある
・私:意見を出してもよい(ただ、採用されるかは別)
・アダコ:自分しかそれをやる人がいない
大きな組織の場合、裁量を持たせると言うのはたいてい「責任が取れる範囲内で、少しだけストレッチした仕事をもらえる」ということだと思います。本当に部下に裁量を与えてしまうと、大きな組織で動くメリット、上長の存在意義が薄まりますもんね。ただ、アダコテックでは、(これは採用の部分と内容重複しますが)肩書き関係なくエキスパートを採用しているので、その業務をやっている人がその分野に1番詳しい、という状態になります。裁量云々というより、やるしかない。笑
事前会議
・私:保険をかけるための報告
・アダコ:仮説を壁打ちするための仲間への相談
これは言葉通りです。上司、社内向けに会議をやるのであれば、上司の持っている正解にいかに近づけるかという議論になるだろうし、お客様のためにやるのであれば、「お客様に刺さる提案はなんだろう?自分一人では限界があるのでアドバイスが欲しい」という議論になるかと思います。
あんな働き方、こんな働き方(なぜアダコテックの人はイキイキ働いているのか?)
私の話が長くなりました。
こんな私の言動に対して、アダコテックの面々はどんな働き方をし、どんなマインドを持っていたのかをお話したいと思います。
「製造業をよりよくしたい」という夢を売っている
アダコテックは、製造業の工場・製造現場などでの外観異常検査・検品という作業工程を自動化するためのAIソリューションを提供しています。
ただ、彼らが検査・検品業界のスペシャリストになることを目指して集まってきたかというとそうではありません。「自分達の技術で、製造業をアップデートしたい!」「検品作業ではなく、よりクリエイティブなことに時間を割いて欲しい!」そんな熱い想いを持っています。
これは私が勝手に言っているわけではありません。実際に多くのメンバーと1on1を実施していく中で「なんでアダコテックに魅力を感じたんですか?」と質問した際に多くの方から挙がった回答です。会社に夢がある、本当に業界を変えられるポテンシャルを秘めている、そう信じて働いています。ただのサービスではなく、夢を売っている感覚です。普通に働いていると、こういった自己開示は恥ずかしくてできない、なんてことがあると思いますが、アダコテックでは、土台が”想い”なんです。
コーリングな状態で働いている
アダコテックメンバーに想いがあるのは分かって頂けたと思うのですが、彼らはどんな状態で働いているのか。より分かりやすい研究結果を見つけました。
イエール大学 エイミー・レズネフスキー准教授の研究によると「人の仕事の捉え方」は3つに分類されるそうです。
①ジョブ:仕事を単なる労働だと捉える。
②キャリア:仕事をスキルアップ・キャリアアップの踏み台と捉える。
③コーリング:仕事への取り組み自体に価値を感じる。
アダコテックのメンバーは、だいたい(3寄りの)2と3の間くらいにいる人が多いと思います。
自分の仕事にやりがいを感じ、向き合っている課題に対して何としても解決に導きたいと思っている。だからこそ、お客様の悩みに対しても真摯に、当事者意識を持って自分事化が出来る人が多いと思います。結局人って、自分が当事者ではないことは適当に流しているものですからね。
ではここで、
こんな人はアダコテックに合いそう、合いそうじゃない、という私の独断と偏見を「アダコテックあるある」でご紹介したいと思います。
アダコテックあるある
・コーリングな状態で働く
⇔成長を求めたキャリア形成
・お客様の課題解決が優先
⇔誰かと競争していたい
・出来る出来ないではなく、責任を持ってやり遂げる
⇔仕事ができないことへの不安
・日々やっていることは泥臭い
⇔イケイケな、ダイナミックで勢いのある会社の雰囲気を味わいたい
お客様へのお願い
アダコテックの面々は、営業であろうとエンジニアであろうと、積極的に当事者になろうとします。それゆえ、お客様の製造現場にはよく足を運ばせて頂きます。お客様各位、アダコテックのメンバーが現場を見たいと申しましたら、どうぞ許可してあげてくださいませ。
また、アダコテックは自分たちが納得したサービスをお客様に提供しております。
自画自賛とは存じますが、アダコテックに新入社員が入ってきて、実際にサービスを使ってもらうと「え、思った以上に使いやすい」という意見がよく挙がります。(そしてもちろんそれは毎週、毎月、ブラッシュアップされていっています!) お客様の利用頻度が下がってきた月なんかは「使ってもらえてなくて寂しいなぁ」というぼやきが社内で聞こえてきてます。(なんだか私まで胸が熱くなりました。)それだけ自社のプロダクトに納得感を持ってご提案させて頂きます。
ただし、お客様と話をしていく中で「自分たちの技術よりもマッチしたソリューションがあるな」と感じた場合、仮にお客様が契約のご意向を示されていても、アダコテック営業は目先の契約に捉われず、別のソリューションを検討されることをお勧めすることもございます。それはお客様のことを第一に考えてのことですので、もしまたお困りごとがあれば、数年後でも、改めてお問い合わせしてあげてくださいませ。
なぜ前を向けたのか?
様々な"違い"の中で、この半年間、私はとても苦しんできました。一度は動けなくなってしまいました。自分の無力さに目を背けたくなりました。ただ、今振り返ってみると、それらはただの(痛すぎる)成長痛に過ぎなかったのだと、そう振り返れます。
それは、アダコテックの面々が、常に私にGiveしてくれていたからです。
スタンスをとることが歓迎される
下図は、ある社員から代表の河邑さんに提案を持っていった時のSlackの文面です。
結果的に、その提案は採用されなかったのですが、その後、以下のようなやり取りがなされていました。
直接的に私の例ではないのですが、しかし常に、提案歓迎、失敗歓迎、スタンスを取るの歓迎な雰囲気を、代表自ら発信してくれています。トライ&エラーを受け入れる土壌は出来上がっていたのです。
代表・河邑さんの言葉
ただそうは言っても、当時の私はメンタルもボロボロ。そんな状況で一歩踏み出すなんてとてもではなかったし、負のループに陥っていた私はなかなか行動できずにいました。
そんなある日の、河邑さんとの1on1ー
アダコテックに貢献出来ていないことに劣等感を持っていた私は、そのことについて指摘されることにビクビクしていました。
それなのに…
河邑さんが私に放ったメッセージは
「あなた自身にもっと成長してほしい!」
という背中を押してくれるものでした。
「え、事業への貢献度のことを言うでもなく、私の成長にここまでGiveしてくれるんですか?」
自分はTakeするばかりだったのに、ここまで私にGiveしてくれる人がいる、その事実だけで、一歩を踏み出さない理由がありません。
というか、ここで動かなかったら、一生動けない気がしました。
とはいえ…
気合と根性でいきなり力を発揮できるわけではありません。まずは自分ができることをしよう。そう思い、次の日から、社外の人もアダコテックの人にも、色々な人に1on1を申し込みにいきました。自己開示して悩みをぶつける、より良いやり方を聞く。石橋を叩いて壊していた私ですが、とにかく、コンフォートゾーンから抜けることを意識しました。
その辺りから、少しずつ、本当に少しずつ、周りには気付かれないレベルで、ただ確かに自分の中では、周りとの仕事の仕方が変わっていったように思います。
半年前の自分へ
この半年間を振り返って、半年前の自分にメッセージを残すなら。
「もっと早く、入社してすぐに、みんなに1on1を申し込もう」
周りの目ばかり気にしていた自分。ただ、敵はいない、自分を傷つけるために生きている人はいないと気付ける!
そして、人から話を聞くことで、視座が上がって人生カンニングできる!
「苦しくても、週報は欠かさなかったのはナイスプレー」
半年間、週報だけは逃げずに書き続けたことは褒めたい。
文章化し、内省し、自分が何に悩んでいるのかに向き合ってきたことは、確かに今に繋がっている!
「自分が過ちを認め、そのために苦しむということは意味のあることだ。なぜなら苦しみは「正しくありたい」という願いを持っていることの証拠だからだ。」
これは、”君たちはどう生きるか” という本の一説なのですが、人知れずこれを見るたびに泣きそうになっていました。笑
この言葉に出会ったのが9月。もう少し早ければ…
自分の未熟さ故に大きな成長痛を伴った半年間でしたが、その分、自分の弱さと真正面から向き合うことができました。おかげで、10年かけて得ていくような経験ができたと思っています。それもこれも、一緒に働く仲間が常に私に前を向く機会を与えてくれていたからだと確信しています。
この場を借りて…心の底から本当にありがとうございました!
最後に
ここまで私の独断と偏見、自分語りにお付き合いいただきありがとうございました。
もし、アダコテックの人や働き方に興味を持って頂ければ、是非カジュアル面談のご応募をお待ちしております。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?