見出し画像

『複業を語る』その1:複業ってやっていいんだっけ?

さて、私こと「(将来)東京都中小企業診断士協会 城西支部を代表する(かもしれない)複業診断士」井上誠が、企業内診断士の副業・複業の実態について語る、シリーズ「複業を語る」。いよいよ、本編に入ってまいりたいと思います。

1.複業やっていいんだっけ?

前回は、

は促進したいと考えているもの、多くの会社は容認するとは言い難く、従業員は興味はあるけどなかなか踏み出せない」

という現状をお伝えしました。

ところで、多くの企業が容認しがたいと考えている複業ですが、実際やっていいのでしょうか?

前回も書きましたが、多くの企業は「就業規則」で「副業禁止」を謳っています。かくいう自分の勤務先も、「就業規則」には「副業禁止」が明記されてます(オイオイ・・・ダイジョウブカヨ)。

しかし、厚生労働省が、平成30年1月に策定した「副業・兼業の促進に関するガイドライン」には、「労働者が労働時間以外の時間をどのように利用するかは、基本的には労働者の自由」であり、「業務上の秘密が漏洩する場合」等、何らかの理由がある場合に限って、企業はそれを制限できるということが書かれています。

つまり、支障(競業避止義務に抵触する恐れなど)がない限り、「法律上は複業は自由」ということになります。細かくは書きませんが、そうした判例も多く出ています。

しかし、法律的には問題がなかったとしても、「就業規則」に禁止と書かれていることを堂々とやるのは、勇気がいりますよね。そもそも、「就業規則」に違反して、会社から訴えられました・・・・なんて、自分も含めて大概の人は避けて通りたい道です。

2.実際は厳しい・・では、どうするか?

じゃあ、どうするのか?

自分の場合は、「社外活動申請書」なるものを作成して、経営層に直談判しに行きました。流石に、本文はここには掲載できませんが、

・診断士活動を、自分のビジネススキル向上のために行いたいこと。
・活動で得られた知識や経験は、必ず業務にフィードバックすること。
・原則、定時後・休日を使って活動すること。
・絶対に、業務に支障をきたさないこと。
・機密漏洩、また、競業避止義務には抵触しないこと。
・確定申告は自分でやること。

等をまとめ、「自分の活動は、絶対、自分の会社と日本経済の役に立つんだという気概」を持って、社長や副社長に、個別に交渉しにいきました。

画像1

ちなみに、皆様には、拍子抜けするくらい快く、「いいんじゃないの?」と言って頂きました。表向きは「ダメ」と言っていても、「内容次第では複業もいいと思うけど、なんでもOKとは言えないから、入口(就業規則)のところでストップをかけざるを得ない」と、考えている経営者も、実際は多いのかもしれません。自分の場合も、単純に「複業をしたいです」というように相談していたら「ダメ」と言われた可能性は高かったと考えてます。もちろん、あくまでも個人的な印象ですが・・・・。

3.ほかの診断士はどうしているのか?

じゃあ、他の企業内診断士の方は、どうしているのでしょう?自分の周りには、いろいろな診断士がいました。

・人事にこっそり問い合わせて、「懲戒解雇の対象になる可能性」を示唆され、泣く泣く諦めた方。
・「俺は、複業するからな」と一方的に人事部に宣言をして、後は一切その話題に触れない方。
・こっそりやっていたら、なぜか会社にばれていて、ある日上司から「儲かっているみたいじゃないか。」と、声をかけられた方。
・自分で、複業OKの就業規則を作った方。

やり方は人それぞれですが、一つだけ積極的にやっている人に共通していることは、「周囲の理解を、(結果的に)もらってやっている」ということですね。複業の関係で定時ダッシュしたり、有給取ったりする可能性がある企業勤めの我々なら、周囲の理解は、やはり大切です。

後、「こっそりやれば、ばれない」という考えには、いまいち賛同できません。せっかく、良いことやるんだから、ここは大手を振って「やります」と言いたいですよね・・・。自分の場合も含め、皆さん、意外と賛同してくれる気がします。

では、会社から許可をもらったとして、皆さん、複業でどんなことやっているのでしょう?それは、次回にしましょうか。

ITベンダに勤務する、中小企業診断士です。得意のITを活かしつつ、常に楽しく前向きに、中小企業の方々と一緒にいろいろ考えていきたいと思っています。