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【組織の課題3】続:ノウハウはどうやったら、蓄積・共有できるか?

前回は、「何故、ノウハウはどうやったら、蓄積・共有されないか」について書きました。


ものすごく雑に言うと、「手間をかけるだけのメリットがない(または感じられない)から」です。

式にすると、こんな感じです。

手間>メリット

では、どうすればいいのか?
左の「手間」を小さくするか、右の「メリット」を大きくして、

手間<メリット

この状態にすればいいのですよね。

では、どうすれば「手間」が小さくなるのか?
これはとても簡単です。「ノウハウを共有する人」たちにとって、面倒なことはやらなければいいのです。「ノウハウを共有しよう」と言うと、大仰に構えて、ナレッジベース的なツールを入れたり、SFA的な仕組みを入れたりしようとします。特に診断士は、いろんなツール知ってたり、いろんなメソッド知っていたりするので、試してみたくなるんですよね。ですが、概して「ノウハウを共有する」ハードルが上がるだけで、なかなかうまく行きません。とりあえず、フォルダ作って、作成したファイルの格納と共有からスタートする、その程度でいいんです。

それ以外にも、重要なことがあります。

それは、徒に、ノウハウ共有の範囲を広げないこと、そして、ノウハウ共有に対する周囲の期待値を、無駄に上げないことです。

前者については、少ない人数で始めるのがよろしいかと存じます。3~4人程度で構いません。「チーム全員で取り組まないと意味がない」と考えて、いきなりたくさんの人数で取り組もうとすると、反対する人、さぼる人が出て、推進する力が弱まります。それよりは、できるメンバーで取り組んで、「情報共有する雰囲気」を作り、徐々に取り込んでいく方が効果的と言えます。

後者は、静かにスタートするのがよろしいかと存じます。この類の話をする時、必ず「費用対効果」を求めらます。そして、診断士は、「費用対効果」、この単語に弱いですよね~。ただ、ぶっちゃけ、「ノウハウ共有の費用対効果」を定量的に計測するなんて、できます・・・かね?計測できたとして、その数値は、取るのに値します・・・かね?「ノウハウ共有はやらないよりやった方がいい」のだから、四の五の言わず、さっさとやればいいのです。なので、「情報共有して業務効率を上げます」なんて話を、大っぴらにするのは、できるだけ避けます。避けて、こっそり始めます。

次に、どうすれば「メリット」が大きくなるのか?
これはもう、直接的なインセンティブを与えるのが、手っ取り早い対策です。例えば、個人目標の項目に入れてしまうのが手っ取り早いです。そして、「ノウハウ共有」を進めたら評価してください。これが最善で、わかりやすいです。ただ、「ノウハウ共有」を進んだら「次のステップに進もう」といって、できるだけ速やかに評価項目から外してください。インセンティブを与える対応は、短期的には成果が出ますが、長期的には逆効果になることは明確なので。

とりあえず、「ノウハウ共有をしよう」という空気感が醸成されてから、いろいろメリットを大きくする施策を実施しましょう。

ちなみに、ここに書いていることは、今まさに、自分が会社でやろうとしていることです。

結果は・・・・・・・、次回以降のブログで報告させてもらいます。

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井上 誠
ITベンダに勤務する、中小企業診断士です。得意のITを活かしつつ、常に楽しく前向きに、中小企業の方々と一緒にいろいろ考えていきたいと思っています。