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『複業を語る』 序章:みんな複業やってんの?

年度も改まり、いろいろ気分を刷新、新しい取り組みを始められた方も多いかと存じます。最近診断士登録をされた方ともお会いする機会が徐々に増えつつあり、何年か前の自分を思い出し、つい、遠い目をしてしまいます・・・笑

私の執筆回に関しては、これからしばらくは、私こと「(将来)東京都中小企業診断士協会 城西支部を代表する(かもしれない)複業診断士」井上誠が、シリーズ『複業を語る』と題しまして、診断士の副業・複業の実態について、あれこれ語っていきたいと思います。

昨今話題になることが多い、「副業・複業」ですが、環境によっては禁止されていたり、お金が絡むこともあり、その内情については、大きな声で語られにくいのかなと感じています。ですので、敢えて空気を読まず、「どんなことして稼いでいるのか」とか、「どのくらい稼いでいるのか」など、なかなか表に出てきにくい話を、自分の経験や知り合いの状況も交えて、赤裸々に語っていきたいと思います。

そして今回は、その序章。

■みんな副業・複業やってんの?

いろいろ話題には上がる副業・複業ですが、そもそもどれだけの人がやっているのでしょうか?

こちらは、2020年10月に、人材企業の「エン・ジャパン株式会社」が発表した、副業に関するアンケートの調査結果です。

副業経験については、「現在している:12%、過去に経験がある:22%」ということですね。「話題になっている割には少ないな~」というのが実感です。

こちらは、2018年に、人材派遣会社のアデコ株式会社が実施した、別の調査結果。

こちらでは、「現在、副業・複業をしている:10%、現在はしていないが過去にしたことがある:20%」という結果でした。調査の実施時期に違いはありますが、極端に数字がぶれているわけではなく、これが実態に近いのかなという印象です。

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「エン・ジャパン株式会社」の同じアンケートで、副業に対して、「非常に希望している:24%、やや希望している:25%」と約半分の方が希望していることを考えると、やりたい気持ちはあるものの、やれていない方が多いというのが、実態のようです。

■会社は?国は?

一方、従業員を雇っている会社は、どう考えているのでしょうか?

これも、アデコ株式会社の調査ですが、認めている企業は23%。これもまだまだ少ないですね。

サイボウズなど、大手企業・先進企業が導入を積極的に進めているというニュースはある一方で、社会全体という観点で見ると認めている企業は少ないのが実情でしょうか。

多くの企業は、副業のメリット(従業員のスキルアップや本業へのフィードバック等)よりも、副業によるデメリット(疲労からくる生産性の低下、情報漏洩・協業避止義務違反等のリスク)の方がまだまだ大きい、と考えているのではないでしょうか?

では、国はどう考えているのでしょうか?

厚生労働省では、「働き方改革実行計画」(平成29年3月28日 働き方改革実現会議決定) を踏まえ、副業・兼業の普及促進を図っています。例えば、「副業・兼業の促進に関するガイドライン」や、副業を前提とした「モデル就業規則」を策定して、企業に副業・兼業の導入を促しているようですね。

「働き方改革」の背景にある一連の事象を考えますと、やはり生産労働人口の減少を何とか補いたい、という思惑が感じられます。

■まとめ

ここまでをまとめると、社会的な動向としては、

1)国は、(労働人口の減少を踏まえ)兼業・副業・複業を促進したい。
2)企業は、一部に積極的な副業の推奨は見られるものの、大勢としては、容認すべきとは言い難い。

一方、副業・複業をやる側からすると、

1)興味はある人は多い。
2)しかし、許可している企業も多くない中、実際にやっている人は少数。

といった状況でしょうか?

では、そんな微妙な状況で、副業・複業ってやっていいのでしょうか?と、いう話は、長くなってきましたので、次回・・・・ですね?

ITベンダに勤務する、中小企業診断士です。得意のITを活かしつつ、常に楽しく前向きに、中小企業の方々と一緒にいろいろ考えていきたいと思っています。