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【組織の課題3】続々:ノウハウはどうやったら、蓄積・共有できるか?

前回は、「ノウハウをどうやったら、具体的に蓄積・共有できるか」について書きました。前回記載した、「情報共有をするコツ」を簡潔にまとめると、以下の4点です。

1)簡単に始める(ツールとか面倒なものは入れない)
2)少人数でスタートする
3)静かにスタートする(余計な期待は抱かせない)
4)参加者には、直接的なインセンティブを与える

実際の記事はこれです。

そして、自分の会社で早速試してみました。

私の勤務先はITベンダーなので、とあるITツールの導入をクライアントに進めるプロジェクトで、「商品情報、営業状況、また、クライアントへの提案内容等を記載したファイル」を、「共有フォルダに格納」して、「6人で共有する」ところからスタートしてみました。非常に単純でシンプルですね。

実際初めてみて、ここまでの状況でいうと、概ねうまく行っている感じです。共有フォルダのファイルについては、必要に応じて更新・参照されています。これまで、共有フォルダにそのようなファイルを格納する習慣すらなかった当社としては、ノウハウの蓄積・共有の第一弾としては、十分ではないでしょうか?

実際、やっているメンバーからも、苦情の類はでておりません。1)については、「ツールを入れたほうがいいのでは?」、という声が一部のメンバーにありましたが、「まずは実績作って,その後ゆっくり考えよう」と言ったら納得してくれました。

一方で、「4)直接的なインセンティブを与える」には失敗しました。参加メンバーの目標設定等に記載してもらおうと思ったのですが、タイミングが合いませんでした。また、目標設定に入れるには、目標として細かすぎました。なので、別の形(例えば、簡単な「情報共有お疲れ様会」みたいなイベントをやる等)での付与を考えています。

そして、実際やってみる過程で、「更に工夫したこと」がありますので、これも共有させてもらいます。

a.面倒なルールを作らない
ファイルに記載するタイミング、また、記載内容等、情報の蓄積と共有とを効率的に進めるために必要なルールがあるかと思いますが、一旦、ルールを作るのは見送りました。ルールを順守することに意識がいって、記載のハードルが上がるのを回避するためです。実際、記載するタイミング、また、書き方についてもバラバラですが、今はこれでいいと割り切ることにしました。情報共有を進めるうちに、「効率が悪い」ことに気がついたメンバーから、「こういうルールを作ろう」という声が出ていることを、今は期待しています。

b.活用する機会を作る
共有フォルダに格納しているファイルは、会議の報告資料として利用する等、いろいろな場面で活用をするよう心がけてます。その方が記載したメンバーも書きがいがありますし、報告用の個別資料作成みたいな、無駄な時間もかかりません。もちろん、出席者への事前ネゴは忘れずに行っています。

c.簡単なインデックスを作る
それぞれのフォルダに何のファイルが格納されているのか、テキストファイルに記載して、一番上位フォルダに格納、インデックスとしました。最初は「フォルダ名でわからないかな~」と考えましたが、無理でした。
また、試行錯誤でファイルを格納しているので、フォルダ構成も試行錯誤です。やりながらファイルをあちこち移動させてます。移動したファイルについては、移動元に、移動先を記載したテキストファイルをおいて、行方不明にならないようにしておきました。

いかがでしょ?どれもこれも、ある意味、普通のことです。特別なこと、ものすごいことは一つもありません。ただ、実際、「ノウハウ蓄積と共有」をするということでは、まず、この程度の話で十分ではないかと思います。

と、「この程度のこと」もできていなかった自分たちに対して、改めて思ったのでした。次は、より効率的に情報共有するノウハウとルール作りに着手する予定です。


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井上 誠
ITベンダに勤務する、中小企業診断士です。得意のITを活かしつつ、常に楽しく前向きに、中小企業の方々と一緒にいろいろ考えていきたいと思っています。