診断士の活動領域をどう決める?#2
皆様、こんにちは。ITであなたの課題を解決する、中小企業診断士/ITコーディネータの井上誠です。
前回は、『どうやって自分の活動する領域を決めるのか』というテーマで、活動領域を広げた後・・・・どうするの?と言うところまで書きました。
じゃあ、どうしましょうか??
【点と点をつなげて線にする】
『点(どこかの活動拠点でやった何か)』と『点(別の活動拠点でやる何か)』をつなげて、線にします。これは、スティーブジョブズが言った「『点』と『点』を結ぶ」に似ているかもしれません。
例えば、自分の所属会社でやること、個別の研究会で学んだこと、一つ一つは『点』ですが、これを結びつけることで、過去の自分の経験が活きたり、新しい何かが生まれたりということがあると思います。
一年半くらい前に、自分の会社で若手向けに「文書作成術」の勉強会をやりました。その時は、結構苦労してコンテンツを作りました。その10か月後に、診断士の協会活動で勉強会をやろうという話になりました。自分は、同じコンテンツで(当然、ターゲットも変わるのでブラッシュアップはしましたが)勉強会を開催しました。おかげで、相当時間を短縮して資料を作ることができました。
勉強会で使ったコンテンツを別の勉強会で使うという、わかりやすい例ですが、同じようなことは結構あるのではないでしょうか。ある研究会で話したテーマを活かして、別の研究会で話したり、ある研究会で聞いたテーマを活かして、新たな活動を作るとか・・・・・。
その際には、気を付けたいことが一つあります。ある『点』でインプットして、別の『点』でアウトプットする時、抽象化と具体化を意識することです。ある『点』での具体的なことを抽象化して、自分の中で汎用的なテーマにし、別の『点』でアウトプットする時に具体化する。そうすると、一件結びつかない『点』と『点』が結びつく可能性が高まります。
ちょっとわかりにくいですかね・・(^^ゞ
例えば、とある場所でPMBOK(プロジェクトマネジメントの知識体系)の勉強をしたとします。その知識を一旦汎用化して、「マネジメントに必要なことってなんだっけ?」というレベルに落とします。今度はそれを、別の場所のイベントのマネジメントに活用し、「アクションアイテムを作成する」というアウトプットに結びつけます。
これで多少、伝わりますかね・・(^^ゞ
また、適切な『点』がない時は、自分で作るという選択肢もあるかなと思います。そうして結んだ『線』は、あなたの『点』としての知識・経験を倍にも3倍にもすると思います。
【『線』と『線』を『面』にする】
そうやって、『点』と『点』を結んで『線』にしたら、今度は『線』と『線』をつなげて『面』にします。
これも自分の経験ですが・・・。
二年くらい前に、自分はITベンダに勤務する診断士の会を作りました。
毎回、(特に中堅~小規模の)ITベンダが抱えるいろいろなテーマで議論しています。先日、コーポレートガバナンス(企業統治)をテーマに話をしてくれた方がいました。ITベンダとして、コーポレートガバナンスにどう取り組べきなのかをお話してくれました。
その話を聞き、自分の所属会社(部門)の計画にそうした観点が欠けていることに気がつき、事業計画にいくつかの観点を取りこみました。
その過程でSDGs(エスディージーズ)という考え方を出会い、現在、これも事業部の事業計画に取り込んでいる最中です。
そして、SDGsに関する診断士の勉強会があることを知り、参加しました。
そこで今度は、SDGsを普及させるためのゲームがあることを知りました。
今度、事業部のメンバーを集めてそのゲームをやってみる予定です。事業部でSDGsを普及させるために。
また、別の経験ですが、ある研究会で「組織設計のメソッド」の話を聞く機会がありました。「そのメソッド」は自分の部署の組織運営に非常にマッチするので、その考え方を部署に取り入れ、組織のレベルアップを図ろうと思っています。
自分の部署に適合させた後は、経験をもとにいくつかの研究会でセミナーを開催し、その「組織設計のメソッド」を周囲に普及させながら、自分のコンテンツを充実させ、最終的には、その「組織設計のメソッド」に関するコンサルをやりたいと思っています。
たくさんの『点』と『点』をつないで『線』を作り、『線』と『線』をつないで『面』を作ることで、『点』と『点』が強く結びついていくと思いませんか?
その『面』が、自分の『活動領域』になります。
逆に、しばらく活動していると『面』に乗ってない『点』があることに気がつきます。そのタイミングで、その『点』から離れても良いんじゃないかと思います。これを繰り返していくと、面に乗らない『点』が自ずと消滅していきます。
活動領域って『広げたり絞ったり』というより、『点』を結んでいくうちに自然に形成されていくものではないかと、そんな風に自分は感じています。
「ムリに広げたり絞ったりする必要はない」という思いは、伝わりました・・・・・かね?
今回は珍しく長文になってしまいました。次はまた、ベンダらしいテーマに戻して簡素に仕上げる予定です。
ITベンダに勤務する、中小企業診断士です。得意のITを活かしつつ、常に楽しく前向きに、中小企業の方々と一緒にいろいろ考えていきたいと思っています。