税務の仕事で難しいところ
会社の税務のお仕事で一番難しくて悩む部分は「難しい税法の話をいかにわかりやすく説明するか」だと思います。
税法の話の伝え方って色々あると思ってまして、国税庁のHPとかがまぁ代表例ですよね。国税庁のHPはオフィシャルなので間違えたらいけないので、基本税法用語満載です。正しいのは正しいんですけど、一般人には意味わかりません。専門にしてても意味不明な部分もあるので…非常に難解です。これは誰かに伝えるというよりも正確性を大事にしている伝え方でオフィシャルとしてはこれで良いんですけど、会社の税務担当としてこの伝え方をするとダメかなぁと思います。
税務担当としては、ビジネスメンバーに税法の考え方やルールを理解してもらい、税務リスクを抑えた形で運用してもらわないといけないので、専門ではない方に税法のエッセンスを伝えるのが税務担当の仕事です。
正確性は多少犠牲にしても大事なところが伝われば良いので伝え方も工夫が必要です。その点がいつも悩ましいところですねぇ。
さらに税法の考え方を理解しようとすると、前提知識が必要なことがあります。会計の考え方とか、税法の他の部分の考え方とか。
2重3重にも積み重なった難しい部分があり伝え方に苦悩してます。そんな悩みを抱えないように普段からビジネスメンバーとはコミュニケーションなり教育なりをして、税法の考え方を浸透させるという役割もあります。
例えば外国税額控除について説明するとなると。税法は全世界所得課税で源泉税とられるから2重課税が発生し、それを防ぐために税務申告で計算した税金から源泉徴収された外国税を差し引くことで2重課税を排除するみたいな。
全世界所得課税は税法の考え方で、源泉税とかは制度の仕組。これが理解できないと意味不明。また租税条約で免除されることもあったり、外国子会社配当で益金不算入の場合は控除出来ないとか、イレギュラーもある。この文脈の中から外国税額控除の何を伝えないといけないか、知っておいて欲しいことは何かを考えて、そこにフォーカスする必要がある。
制度自体を知ってもらいたいだと、「税法は会社で稼いだ全部の利益に対して税金を納めるけど、外国からの入金のときに税金引かれる場合がある。それで2重で税金払ってるから日本の税金が安くなる」みたいな感じ。正確には配当とか課税されてないから違うんだけど。1個複雑な部分があると、その後の話が伝わらないので細かい点は無視。あと税法用語は使わない!所得とか課税とか。馴染みのない用語が出る時点で話を聞かない人がいるのでw
そんな感じですね。最近だと賃上げ税制とかも難しいですね。「いくらあげたらいくら返ってくるの?」という質問は当然予想されるんですが、要件もあるし、法人税の限度額もあるし、条件によって控除率変わってきたりとかもあるし。
説明が難し過ぎて嫌になるときもありますが、理解してもらったときには、「まぁ良かったな」と思ったりしますので、その気持ちを大切にしていきたいなと思いますw