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SNSとの付き合い方

はじめに

面白半分に、パソコンオタクが集まって始まった BBS からはや半世紀。SNSがどういうもので、どう付き合うか?について「炎上」を通して少し話します。


炎上のメカニズム

SNS では付き物の「炎上」
これで色々騒ぎになり、問題になり、時には命を落とす方までいます。私の様なおじさん世代には、どうにも良く分からない社会現象ですが、それを少し掘ってみます。

火元

炎上が発生する際は、最初に何らかの火元が必要となります。もちろん、当たり前のことを言うだけでは火元として不適格で、ある程度「突飛な」ことを言わないと始まりません。が、火元は内容より、誰が言ったか?の方が重要です。社会的に有名で、かつ叩いても構わない(と思われている)人が突飛なことを言うと、炎上の条件が揃うようです。
叩く人の動機は様々ですが、以下の2つがあるように思います。
1.「自分の正義」に自信があり、他人もそうあるべきと思う人
 本人は悪気はなく、「誰も言わないなら、自分が正義を示す」と真剣に思っている人です。みんなその「正論」は分かっていて、それを言わずに流そうと思っているのですが、言ってしまう人。
2.経済的理由で行動する人
 最近、SNS でも注目がお金になる物が多く、純粋にお金目当てで騒ぎを起こす人がいます。真偽はどうでも良いし、火元の人もどうなっても良い人達ですね。騒ぎが大きくなればなる程、儲かる訳ですから、燃えそうな火元を探し、焚き付けます。

燃料投下

火元が多少曖昧でも、それを攻撃する人たちが先鋭的な突っ込みを行ったり、過去の「火元候補」を引っ張り出して晒したりして、小さな火元が大きな火事になって行きます。特に字面だけ見て、何なら悪意の曲解をして非難する人まで現れます。X 等の SNS で、ワーッと来る段階です。
ここで上記「自分の正義」と「お金」の人達が、更に集まってきます。どちらも結構厄介で、説得とか説明とかでは当然収まりません。我々普通の人が出来ることは、とにかく無視して沈静化を図ることぐらいでしょうか。面白がって見るだけでも、「お金」の人達を応援していることになります。これは文春等の週刊誌でも同じで、「ああいう取り上げ方はどうなんだろうねえ!」という人も文春のネットニュースをチラチラ見るだけで、文春の応援をしていることになることは、知っていた方が良いかと思います。

類焼拡大

こうなると、youtuber たちが黙ってはいません。youtuber にはもちろん楽しく良い人も沢山いますが、「自分の正義」と「お金」の人もまた、沢山います。
大した火事では無くても取り上げ、自分のチャンネルで叩くことで該当 SNS の状況を知らない人にまで拡大します。youtube の中にも階層構造がある訳ですが、ネタの燃え具合によっては上位の youtuber が目を付けて、更に拡大して行きます。また、並行して「特定班」と称する個人が写真等から人物の特定を行い、それを晒すこともあります。ただし、この範囲はまだネット界隈に閉じています。ちなみにこの特定班、興味がなくても有料で引き受けることもあるそうで、相場は5000円ぐらいとか。

社会現象

マスコミ各社も、昨今はネットの炎上に敏感です。何せ制作/取材費削減の折、最初から話題になるのが約束されていて、かつ傍観者を決め込める炎上ネタは、格好の素材です。TVで報道されるようになれば、炎上も一流の部類に入ります。これでネットの外の中年/高齢者にもリーチされ、社会全体で世間話としてささやかれることとなります(炎上の完成)。
ここでも結局「自分の正義」と「お金」の話となります。民間のマスコミ各社は、結局営利団体ですから、「お金」に属します。
☆ その意味でも、NHK の存在は貴重かなと思うのですが…

公権発動/自主規制

滅多に無いのですが、この炎上から司法が動くことがあります。あるいは、自らの進退を(不本意ながら)決する事もあります。叩かれた人が組織から弾かれたり、近隣住民から後ろ指さされたり、心を病んだり、末には自殺したりとエスカレートする事もあります。
もちろん、司法は「法律違反」を聞けば「治安の維持」のために動く必要があり、ちゃんと仕事をしているだけですが、それ以上に「社会的制裁」が発生します。これは単なる慣習ではなく、裁判上も「被告人は既に社会的制裁を受けており…」と言われることもあり、少なくとも日本の社会では刑法以上に厳しいこともあるようです。しかし、これはネットや SNS 以前からあった話であり、マスコミの功罪の一つです。それが、ある程度管理されているマスコミの手を離れ、個人や小さな団体でも出来るようになってしまったのが、SNS と言えるでしょう。

消火/鎮火 その後

火元の人が、何らかの不利益を被った場合、急速に消火に向かいます。そしてその後が語られることは無く、再発防止策も出る訳では無く、滅多に法改正が起こることも無く、忘れられて行きます。また、その頃は次の火元が現れるので、その話題に切り替わるだけとなります。
何せ、長い目で社会正義を履行したいという動機ではなく、「自分の正義」の表明と「お金」が目的なのですから、もう目的は達しています。その後、火元の人がどうなっても、あまり興味はない訳ですし、大勢のうちの一人ですから、責任を感じることもないのです。
が、私がもしその炎上を楽しみ、SNS の書き込みや動画を色々見てしまったとしたら、その片棒を担いでいるのもまた事実。そこは注意したいところですね。

対策らしきこと

昔から「人の口には戸を立てられない」と言いますが、リアルな「口」で言ったことには影響の範囲が限られます。「自分の正義」の人達も、火元の人に直接それを言えるか?と聞くと、殆どの場合「そんな事はできない」と言います。口では言えないことを書いてしまう訳で、書く方が影響が強いのに、なぜそういう判断になるのかは不思議です。
「お金」の人達は、その活動が合法である以上、まあ仕方ないと思います。時代に沿った規制法を望むべきですし、そういう人達を応援するしかないですね。
という訳で、今日のところのまとめは以下。

炎上のメカニズムを知る

 このブログもある一面に過ぎませんのが、私が積極的に焚きつけなくても、その一部を見るだけで、炎上の一助となってしまうということは知っておきたいと思います。シンプルな対策は「炎上を楽しまない」ことなのでしょうね。無かったかの様にスルーし、SNS でのフォローの際も考えたいと思います。少なくとも炎上がお金にならない、とわかれば、「お金」の人は相手にしなくなります。

口で言えないことは書かない

 これも単純ですが、口頭で相手に言えないようなことは、文字にしてはいけないというあたり前のことを、再度考えました。これは SNS 以外にも、ビジネスのメールでも同じですが、ついつい仕事上の「自分の正義」を振りかざして書いてしまうことがありますが、そのメールが当の火元の人が見ても大丈夫なのか?はいつも意識するようにしています。自分が「自分の正義」を振りかざしていないかを確認し、火元近くのボヤを火事に育てない様にしたいです。

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