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【ヒトコト読書】伝える準備/藤井貴彦
【ヒトコト読書】は、年収400万円くんの読書モットー、「ワンフレーズ話せるだけで十分!」をテーマに色んな一冊を紹介する記事です。
↓今回はこちらの本
① この本を読んだ理由
藤井アナに好印象があり、“言葉の扱い方”を知りたいと思いました。
② “伝える準備”はなぜ必要か。
人生は”誤解との戦い”です。発した言動全てに、補足や説明ができる環境は限られています。そのため、発する前の”準備”が何よりも大切。一度出た言葉は決して、取り消すことができません。
③ 言葉を寝かせる。選ぶ。変換する。
藤井アナ、言葉の”瞬発力”には以前から自信があったようです。しかしそれ故に、後悔してしまった経験が。
例えば後輩へのアドバイス。タイムリーなアドバイスをという理由から、感じたことをそのまま伝えてしまうと、相手の表情が曇ることが多いよう。
そこで大切なことは、言葉を寝かせて、選ぶこと。そして変換して伝えること。
「今日のきみの仕事はイマイチだった」
→「いい時と比べると、惜しいね。」
「入社3年目でこのレベルはきつい」
→「3年目としては合格だが、目指すのは合格じゃないだろ?」
伝え方だけでこんなにも印象が変わります。こんな風に言われると、後輩としても嬉しいですよね。
今ではアドバイスを求められた際、「準備が充分ではない」と感じた時は、「今度しっかり見直しておくから時間をくれないか」と伝えるそうです。
さらに、後輩の仕事を常に観察しながら、”こんなことを言ってあげたいリスト”を常に準備しているそう。頭が上がりません。
④ 日記で自分を俯瞰する。
藤井アナが日本テレビ入社以来、習慣として続けているのが日記を書くこと。毎日日記を書くことで、その日自分がどんなコンディションで、何をしたかったのかが確認できる。
日々の業務に忙殺されがちな自分を俯瞰する、“ドローン”のような存在だそうです。
⑤ 日記は5行だけ。
藤井アナの日記は、一日5行だけ。理由の一つは、“すぐに書き終わる”から。習慣としてのハードルを下げ、継続しやすくしています。
もう一つの理由が、言葉を“煮詰める”ため。5行という短いスペースに書きたいことを書くためには、厳選した言葉選びや、言葉の変換が必要。日々の試行錯誤の積み重ねが“言葉の引き出し”となり、豊かな表現力の土台に。
⑥ 未来のことはわからないけれど。
「10年後、どうなっていたいですか?」
この本の執筆中、藤井アナが一番時間をかけて悩んだ問い。ここでも役立ったのが、日記でした。
「10年後、どうなっていたいのかはわからない。だけど、10年前に何を感じていたのかは日記を見ればわかる。」これが藤井アナの答えとなりました。
ボクたちのような一般人でも、「10年後のキャリアをイメージしろ!」というようなアドバイスはよく目にします。「未来のことなんてわからないですよ…」という悩みに今回、この本が答えを導いてくれたような気がします。
10年前の自分を振り返れば、成長の記録・感情の変化が把握でき、将来の選択にもつながるのかなと思いました。
⑦手書きの文字。
現代はSNSも普及し、匿名で言葉を発信しやすくなりました。便利になった反面、言葉によって多くの人が傷ついていることも事実です。
手書きの文字の良い点は、発信するまでに”タイムラグ”があること。自分の言葉を客観視する時間が必ず存在します。“言葉の親になる”気持ちで言葉を確認する。
手書きが全てではありません。だけど、「この言葉は、誰かを傷つけていないか?」その問いかけが、今を生きる全ての人には必要です。
⑧ボクの個人的な感想。
文章は読みやすくスラスラ頭に入ってきますし、装丁もシンプルでとても素敵です。ボクが今年から日記を始めていたこともあり、この先も続けようというモチベーションになりました。
後輩へのアドバイス、言い換えには本当に感嘆しましたし、何より藤井アナの“人に対する姿勢”がしっかりと伝わる一冊だったと思います。
今後も定期的に読み返し、“自分の言葉は誰かを傷つけていないか”確認したいなと思わせられる本でした。