映画についての備忘録〜プロメア〜※ネタバレあり
まず、一言目。楽しかった。凝った設定とエフェクトと、熱血漢と美少年と、後姉妹百合と、結果としてストーリーは続いていくというその結末まで含めて。やはり、こ難しい理屈を映像作品として落とし込む為にはある程度のやり方が必要で、その辺の省略された間合いみたいな感じのモノを掘り下げたら、伝奇SFみたいになっていたと思う。一本の筋に従うなら、熱血漢と美少年、天才エンジニアな姉妹、天才博士とその才能に嫉妬してすべての発明品を奪った助手という対比、人が生きていく上での横やりとプロメア適性についての作品内での取り扱い方のテクニカルさ、黄金比の様な美しさにこそ惹かれるモノがあると感じました。
登場人物それぞれについて。ガロ・ティモス。ただのバカ、火事場のバカ、すべてを背負って運命に踊らされるストーリーの要石。この男がすべての修羅場をくぐり抜けて生き残らなかったら、リオンはただ利用されて終わっていたと言う、重要な事実。
設定周り。プロメアが心に宿るのは、怒りがあるからと言う冒頭の流れを踏まえると、天才の助手と言う成り上がり市長にプロメア適性があるのは当然のことではある。ストーリーテラーのメッセージをストレートに解釈するならば、「“怒り”の時代になるかも知れないが、それを乗り越えられるのはどんな困難にも負けないで人を救いたいという真っ直ぐな気持ちだ」と言う、安直なバカでも分かりやすいものになっていると思う。それだけに映像美や、エフェクト表現、物理的なエンジン描写という細微に至る単純なプリミティブ型の躍動をよく観察できる面白さを持っていたと思う。メッセージを受信して、それを受け止め終わる事はまだ、出来ていない。だから、結末はそこまで重要ではない。より具体的に言うならば残された地球人たちがどうすれば事態の収拾を付けることができるかは私達の側に委ねられている。
物語は続いていくのだ、そう感じられる良い作品でした。
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