みんな大好きブラームス

中学時代はブラームスの交響曲を聞いてもだいたい途中で寝てしまうという不届者でしたが、大学オケで自分で演奏することになったらすっかりハマってしまいました。

私の在籍した大学オケは昔からブラームスをよく取り上げており、私がいた時も交響曲第1・2・4番、大学祝典序曲、悲劇的序曲を演奏しました(幸いにして全部参加できました)。おかげさまで(?)、いわゆるアマオケの定番であるチャイコフスキーとドヴォルザークの交響曲には大学オケでは一度も巡り会わず、チャイコフスキーの交響曲を初めて吹いたのは三十代になってからです。

もちろんブラームスの交響曲もアマオケの定番ではあるのですが、なぜ取り上げられることが多いのか考えてみました。おそらくこんな理由ではないでしょうか。

・弦楽器の内声(セカンド、ビオラ、チェロ)に大事な役割が多く充実している
・木管楽器は1番パートを吹いても2番パートを吹いてもやりがいがある
・ホルンは全パートどこを取ってもオイシイ
・全曲トロンボーンがある

しかし、よく取り上げられるからといってそう簡単ではないのがブラームスだと思います。自分が吹いているトロンボーンでいえば、かなり切り詰められた出番の中で最大限のパフォーマンスを発揮しなくてはなりません(例えば第1番は最初の出番まで30分以上ある上に、ほとんど準備運動もできないままにあのコラールを吹くことになります)。ブラームスの交響曲の演奏でトロンボーンが良かったと言ってもらえるととても嬉しいですね。トロンボーンの用法について書きたいことはたくさんあるのですが、長くなるのでまた別記事で書きます。

大学オケを含め、これまでブラームスの交響曲は25年間のオケ活動でそれなりに演奏してきました(1番:3回、2番:3回、3番:2回、4番:5回)。この他、大学祝典序曲が3回、悲劇的序曲が5回、ドイツレクイエムが1回、演奏機会がありました。何度やっても新しい発見があって、出番は少ないのですが何よりトロンボーンの使い方が素晴らしいので吹いていて充実感があります。来年も演奏機会がありそうで、今から楽しみです。

武満徹が何かの本で書いていましたが、ブラームスほど「コクがあるメロディ」が書ける作曲家はなかなかいないのだそうです。ピアノ曲や室内楽など後期の作品を聞くと、確かにそう思います。

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