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【オリジナル香水】金熊香水カスタムラボ体験記② 香水レビュー編
金熊香水カスタムラボで作った香水が届いたのでレビューしていきます!
Web調香の体験レビューはこちら。
デザイン
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グレーの箱に入って届きました。箱・瓶共にラベルがあり、私のつけた名前が記載されていて感動!
液の色も「Golden Reverie」のイメージ通りです。
香り
香りのレビューに移ります。
私は体温が低め~普通。肌タイプは未診断ですが、おそらくスウィートスキンとウッディスキンの間くらい。何もしていないときに「アメリカの悪いお菓子」「新品のギブソン」「古着屋で焚いている謎のお香」などと言われるほど肌の香りが強めのタイプなので、他の方とは香り方が違う可能性が高いことにご注意ください。
トップノート
トップからいきなり「これぞウッディ」! 柑橘が飛び出るかと思いきや木(というか木材)の印象の方が強く、静謐でマスキュリンな香り。甘さはほとんどありません。
しかしそれはとても柔らかく香ります。木材とも、その中に混じる柑橘とも、絶妙な距離を感じるのです。
たとえて言うならば、1時間前に到着した木造のコテージで、白いリネンのシャツを無造作に着流し、テーブルに置いたグレープフルーツの盛り合わせにはまだ手を付けず、窓辺のソファでくつろぎながら微睡がやってくるのを待っているような。
既存の香水でいうなら、Aesopのタシットに近い雰囲気のトップノートです。アロマテラピー感があるので、香水らしい香水が苦手な方も結構いけるかもしれません。
私はもっと甘味のある柑橘になると思っていたので、少し予想外でした。好きではあります。
ミドルノート
鳴りを潜めていたフローラルがぐんと前に出てきました。中でもオスマンサスの存在感がひときわ強く、金属的なトーンが混じります。チュベローズも主張してきますが、独奏するよりもローズとウッディの間を取り持つような雰囲気で、意外と調和のとれた香りに。
調香した時はもっと妖艶な雰囲気になるかと思っていましたが、思っていたよりもクラシカルですね。また、かなりパウダリーさがあります。よく言えば優雅、悪く言えば前時代的な女性のイメージです。
既存の香水で喩えると、エタリーブルドオランジェのデンジャラス・コンプリシティーやルブタンのルビルージュをイメージして作ったものの、出来上がってみるとゲランのシャリマーやゴルチェのフラジャイルのような方向性だった、という感じでしょうか(香りの構成は全く違いますが、イメージの方向性の話です)。
若干の青っぽさと奥の方で奏でられ続ける木材の清々しさで「おばあちゃんの鏡台」にはなっていませんでしたが、肌によってはそうなってしまうタイプの香りとも言えます。
とはいえ、この過剰なフェミニンさと人を選ぶ香りというもの自体は狙っていた方向性でもあり、脳内の香りとそこまで乖離していたわけではありません。私としては成功です。
それにしても、この香りの変化は非常にドラマティック。衝撃的です。
ラストノート
花々は再び遠くへ行って、柑橘は姿を消し、ウッディとバルサムの温かい余韻。単純ながらも安心感のある香りです。お香系ですが、和風よりもオリエンタルよりに感じました。
鼻が慣れたのもあるかもしれませんが、トータル2時間ほどで消えていきました。
感想
ログハウスで休日を過ごすハンサムな女性が、赤い唇に黒いドレスの少し毒のある淑女へと変貌し、パーティーが終わったらメイクを落として甘く微笑んでくるような……短時間で目まぐるしく変わる人格の振れ幅に笑ってしまいました。もはや狂気的。完全にストーリー性を楽しむ香水になりましたね。つけている本人はとても面白いのですが、周囲の人は会ったタイミング次第で全く評価が変わると思います。
個性派ですが、優しく香ること、甘すぎずスパイシーすぎないことから、嫌みがなく意外とつけやすいのではないかと思います。ベース香料の調合が絶妙なのでしょう。
また、トップノートこそ予想外だったものの、ミドルとラストは予想していた香りとそこまで大幅には変わりませんでした。
私はかなり冒険した方だと思うので、それでもこのつけやすさなら、初心者でも非常に失敗しづらいシステムなのではないでしょうか。
……というわけで、とても好みの香水が出来上がりました。この度は貴重な機会をいただき、ありがとうございました!