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【短文朗読】消えないリング

☆人数:1人
☆所要時間:1分




吹き荒(すさ)ぶ
冷たい風に
首元のマフラーを握りしめた

週末の昼は
泣けるほどの速さで過ぎ去ってしまう

ほんのひと時だけの
揃いの証と名残惜しさを
カバンにしまいこむ

家路に向かう
足音は
ひとり分


指に残ったリングの跡に
口付けて

あなたはまた
手の届かぬ人に戻ってしまう

「まだ、消えないで。」

私の指にも
あなたの指にも

愛しく苦しい
切れない絆





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