【2人用声劇】【男1女1】神社
☆所要時間:3〜5分
☆人数 :2人用(男性1女性1)
モノローグのみ、セリフの掛け合いはありません。
付き合っていなかった頃の二人の回想と、
現在では結ばれた2人の話です。
回想シーン舞台→江ノ島神社
※エスカー→江ノ島内を楽に移動できるエスカレーターに似たものです。
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【男性サイド】
男:階段を見たら、ふと思い出したんだ。
男:神社に続く長い階段を見上げて、
男:意気消沈(いきしょうちん)していたキミの顔。
男:一緒にお参りしたいから行こうって
言い出したのは、キミだったのに。
男:一歩進む前に財布を取り出してさ、
男:「エスカーに乗るお金、あったかな?」って。
男:「歩かないと、ご利益(りやく)ないんじゃない?」って言ったら、
男:ぷーっとふくれてさ、
男:かと思えば、あたふたするんだから。
男:やっと観念(かんねん)したのか、
男:覚悟を決めたのか、
男:ボクの袖(そで)を引っ張って階段を上りだしてさ。
男:エスカー代は、おまんじゅうに変えてよね!って
男:なんでボクが買うことになってたんだか。
男:なにやら一生懸命
男:長々と手を合わせていたことも、
男:自販機探してくるなんて言って、
男:お守り買っていたことも、
男:ほんとは知ってるよ。
男:ありがとう。
男:ボクも、ちゃんと叶ったよ。
男:隣で聞こえる穏やかな寝息。
男:なんの夢を見てるやら。
【ここから、女性サイド】
女:ひとくち頬張(ほおば)ったら、急に思い出した。
女:おまんじゅうの味、
女:青い海、
女:生い茂(おいしげ)る緑、
女:真っ赤な鳥居(とりい)。
女:あんなに階段が長いなんて、聞いてなかった。
女:ヒールで行かなかったのが、救いだった。
女:なんでエスカーに乗ったら
ご利益(りやく)なくなっちゃうのよ。
女:そんなの困るじゃない。
女:意味ないじゃない。
女:やっとの思いで、一緒に行こうって誘えたのに。
女:ハッとして、立ち上がった。
女:どこ?
女:どこだっけ?
女:あった!
女:あの時こっそり買ったお守り。
女:そのお守りを、そっと両手に包んで、目を閉じた。
女:…ありがとう。
女:今日も私は、大切な人と一緒に過ごせています。
End
〜マコのひとりごと〜
私が初めて書いたサシ劇台本です。
当時はお題というジャンルでアプリに投稿していました。
お題は読み手のコラボができず1人でしか読めなかったので、
男性視点と女性視点をそれぞれ書き、
どちらのお声の方にも読んでいただけるように作りました。
後に声劇台本として投稿すると、朗読やモノローグがお好きな方に気に入っていただけたことが嬉しかったです。
お声を乗せてくださった方が「江ノ島神社」と気付いてくださって、そのコメントのやり取りから距離が縮まったことも、とても思い出深いです😊