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【短文朗読】待っていた、冬。

☆所要時間:1分
☆人数 :1人用



待つのは苦手
ワタシはせっかちだから

結論は自分で出したいし
考える時間ができると
不安になってしまうから


だけど
気が付けば待っていた


アノヒトからの 連絡
アノヒトの 声


待つのは苦手だけど
アノヒトに会えた時の喜びを
知ってしまったから

待つのも
そんなに悪くないかもって
近頃思う


本当は
今よりもう少し近付きたくて

本当の本当は
誰より特別になりたい


そんなことを考えていたら
無意識に目で追ってしまっていたようで

アノヒトとふと目が合った瞬間
ワタシは我に返り
恥ずかしさで消えてしまいたくなる


いつの間にか
自分が思っていた以上に
私の中で
アノヒトが占める比重は
とてもとても大きくなっていたらしい


意識しないように、なんて。
もうそれが考えてしまっているのにね。


アノヒトを思うほどに
自分に呆(あき)れてしまう

でも
それもしょうがないかと
苦笑いして受け入れるんだ

だって私はまた
アノヒトの声を
待っているのだから


End




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