外側アーチの構造とその役割
足の外側アーチは、歩行や運動中に安定性と衝撃吸収の役割を果たし、私たちの体を支えています。以下では、その構造と各要素の役割について詳しく見ていきます。
外側アーチの構造
外側アーチは、第5中足骨、立方骨、踵骨の3つの骨で構成されています。
• 第5中足骨の骨頭はアーチの前方の支持点を形成します。
• 立方骨は地面からわずかに持ち上げられ、柔軟な接地を可能にします。
• 踵骨の後方結節はアーチの後方の支持点として機能し、安定した支持力を提供します。
内側アーチと異なり、外側アーチは地面からわずかに(3〜5mm)持ち上がった構造を持ち、軟部組織を介して地面と接触しています。
外側アーチの安定性
外側アーチの安定性は、以下の要素によって支えられています:
• 底側踵立方靭帯:外側アーチの安定性の中心であり、この靭帯が踵立方関節と立方中足関節の下方への開きを防ぎ、体重負荷を分散します。
• 踵骨の大突起:アーチの要石として機能し、後方と前方の骨梁からの応力がここで集中して安定性を高めます。
外側アーチの衝撃吸収
歩行やランニングなどで大きな衝撃がアーチにかかると、外側アーチは柔軟に対応します。
• 底側踵立方靭帯は衝撃に対して抵抗しますが、大きな衝撃がかかると踵骨の大突起が要石としての機能を維持できずに、破損する可能性があります。この場合、大突起が垂直に骨折することもあります。
• 踵骨台が踵骨体部に陥没し、ベーラー角(踵骨の角度)が変化する可能性もあり、アーチの弾性が影響を受けます。
外側アーチに関わる筋肉
外側アーチを支える筋肉群が、アーチの安定性と柔軟性に大きく貢献しています。
• 短腓骨筋は、アーチの安定化に貢献し、関節の下方への開きを防ぎます。
• 長腓骨筋は短腓骨筋と並行して機能し、踵骨の前方端を弾力的に支えることで衝撃を和らげます。
• 小趾外転筋は外側アーチ全体に弦のような張力を与え、内側の母趾外転筋と同様にアーチを支えています。
• 第3腓骨筋や長趾伸筋は、特定の状況で外側アーチの突出を抑える役割を持ち、下腿三頭筋もアーチの湾曲を調整します。
まとめ
外側アーチは、複数の骨、靭帯、筋肉の協調作用によって安定性と衝撃吸収の役割を果たしています。歩行や走行時の衝撃を効率よく吸収し、足全体のバランスを支えています。これにより、日常生活や運動での快適な動作が可能になります。
著作者情報
この記事を書いたトレーナー
山岸慎(やまぎし まこと)
STUDIO KOMPAS 渋谷店
〒150-0036 東京都渋谷区南平台町13-11 南平台WEST 地下102
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