”魅力を醸し出す”生き方
水は竹辺より流れ出て冷たく、風は花裏より過ぎ来たって香し
(みずは ちくへんより ながれいでて つめたく、かぜは かりより すぎきたって かんばし)
これは最近聞いて、「なるほど」と納得した禅語。
「山の木々や竹林の地下を通って流れてくる水は、とても冷たく、
花々の間を通って吹いてくる風は、とても香り高い。」
といった意味で、大自然の心理が表現されているのだけど、同時に、私たちの人生の妙味をも教えてくれている。
人は、どのような環境・ご縁を経てきたか、つまり、
「どのような人や物事と出会い、どのような場所で過ごしてきたか」
によって、今のその人のあり方や、その人の醸し出す雰囲気が出る。
50年以上生きてきた今、全くその通りだなと思える。
心優しい両親のもとに生まれ、愛情・環境に恵まれて過ごしてきた人というのは、明るく朗らかで、一緒にいるだけで元気をもらえる。
自分の周りでも、そんな友人がいる。
自分自身は、
損得勘定しか頭にない人、
人を押しのけてでも自分が優位に立とうとする人、
人をさげすむ人、、、
このような人たちと一時期一緒に仕事をしたこともあり、
その時は自分もいつも、「損な役回りをさせられないように」とか、
ちょっとでも馬鹿にされたりしないように振舞うことで頭がいっぱいで、
笑顔も少なく、いつもピリピリした雰囲気を醸し出していたかもしれない。
人は出会う人や環境に、いとも簡単に影響を受け、無意識に同じような「気」をまとってしまうようだ。
今、自分がまとっている雰囲気、人から見える印象は、まさに、これまでに自分が通ってきた過程=人生を表しているのだ。
最近”親ガチャ”という言葉が話題になっているけど、20代の若者ならどんな親の元で育ったか、といった影響もまだ確かに大きいのかもしれない。
でもそれはこれからいくらでも塗り替えられる。
まだまだいろんな”場所”を進んで行くのだから。
50代の自分だって、まだまだ、自分を取り囲む環境、例えば、
住むところ、働く環境、付き合う友人、
などを、もっともっと意識的に選んでいきたい。
そして、環境だけでなく、自分自身の物事への取り組み方、
人との付き合い方、など一つ一つも、自分の「気」を作り出すのだと思うので、毎日を丁寧に、かつ楽しく生きるよう心がけたいと思う。
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