水戸黄門3時間スペシャル〜弥七大活躍〜②
「退職まで出来ることなんでも最大限の力でやります」
とは言ったものの、私は果たして何をすれば良いのやら。
今までメインでしていた研修に関しては、いなくなるなら入らずに部下にまかせた方がいいと思ったし、上司にもそう言われたので、ほとんど入らないことになった。
と、同時にここ3年ずっと一緒だった上司から離れることになった。
新しい上司は自称「僕人間力ないです。教育とか無理」
理詰上等、データ至上主義、ロジカルまっしぐら。
要は私とはことごとく真逆w
とはいえ、そんな上司と何度か今後退職するまでに実施していくミッションについて話していくうちに、何となく自分がすることも見えてきた感じがしていた。
もうちょっとでミッションも明確になるな、と思っていた4月の初め、私は上司に今後のミッションについて、また話したいとミーティングを組まれた。
いよいよ詰めるのねと思い、色々資料準備して会議室に行くと、上司がいて早速ミーティングが始まった。
ところが、何かおかしい。
ロジカルな彼が何か言いづらそうに、話を進めている。
上司が話してる内容が今までとどこか違うので、意図を聞こうとしたその時、
「ドガーーン」という音とともにドアを開け、リーダーが猛スピードで入ってきた。
なんせ彼は動作音が大きい。
『なぜ来た!?』
急な登場に一気に緊張が走る。
そしてリーダーは開口一番
「この度〇〇くん(上司)からマコさんを貰うことになったから」
貰うって、私は物かいな。
いきなり過ぎて目を白黒させている私に、彼はあのセリフを言った。
「俺が水戸黄門ならおまえは弥七だ。弥七になれ」
弥七。
・・・どゆこと?
話が急過ぎて、マスクの下で口が開きっぱなしになってる私に、弥七のミッションを説明された。
要は、チームの中に入り込んで起きている問題を見つけてきてほしいと。
立場が上になると上からみて見える問題を解決しようとするが、実際現場で起きてる問題を下から拾うことしたい。一人一人の話を聞いてほしい。
「集めてきた課題を一緒に解決しに行こう。俺は上に働きかけられるし、マコさんは下に関わればいい。それ、得意でしょ」と
小部屋で聞いた、世界平和の話が頭をよぎった。
「後は教育を強化したいから新しい研修を取りに行こう。それでそれをチーム全体に研修して定着したらいいし、
自分も新たな知見を持って辞めたらそれが今後の武器になるだろ」
この言葉にうっかりその場で泣きそうになったが、必死にこらえて
「はい。わかりました。ありがとうございます」となんとか応えた。
かくして私はチームで一番偉い人からのミッションの下、直属で手足となって働く人、
弥七になった。
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