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水戸黄門3時間スペシャル〜弥七大活躍〜①
「俺が水戸黄門ならおまえは弥七だ。弥七になれ」
こんな指令をリアルで受けたことが皆さんはおありだろうか。
私はある。しかも割とシリアスなミーティングの場で言われた。
NOTEを書かなくなってた数ヶ月間。
人生振り返ってもここまでドッタバタな日々はなかったんでないかい?と割と本気で思っている。
部下3名が東京への異動を希望したのを機に、私の仕事の中心は彼女たちをどうしたら東京に行かせることができるのかになっていた。
1月は試験の準備に明け暮れ、
2月は面接、筆記、また面談に明け暮れ、
3月は異動が決まったスタッフが困らぬようできる限りの研修をした。
そんなこんなで満を辞しての4月。
唖然茫然魂抜け殻状態の私は、まんまと体調を崩した。
我ながら頑張りすぎたのかもしれない。
後悔は微塵もしてないけど。
兎にも角にも半死半生状態の私は、晴れて4月に直属の部下を持たないフリーの身となった。
入社して16年、初めて部下を持って15年、こんなことは初めてだ。
フリーになった私は席移動を言い渡された。
言われた席に行くと目の前に我が部署のリーダーがいた。
200人規模の部署をまとめ上げる彼はとにかく怖い。
ガラが悪い
荒々しい
笑わない
いつも怒り顔
実際すぐ怒る
威圧感という名の服着て歩いているような彼の横に、共感性丸出し、丸出し共感性の私を置くのはどういう了見だ、と恨みたくもなったが。
ただそんな彼のことを
「優しい」と大抵の人はいう。
実際私もそう思っている。
今年、私は16年働いた会社を辞める予定でいる。早くて夏、遅くとも秋には退職する。
去年の暮れに初めてその時の直属の上司にその意向を伝えた。その上司はリーダーにはその事実を伝えず、私の気持ちが変わるのを期待していたようだったが。。
結果2月末にリーダーの耳にも私の退職意向の話が入った。
リーダーは聞くや否や「俺が話す」といい、私を無言で手招きし面談用の小部屋に呼んだ。
コロナ禍の影響もあり、リーダーとはここ1年ほとんどあっていなかったし、ほとんど1対1では話していない。
『ああ、退職のこと聞いたんだな。』
なんて言われるのかと、めっちゃドキドキしている私に彼は開口一番、
「お前何かお父さんに言わなきゃいけないことあるやろ」と言った。
彼は48歳、私は43歳。
お父さんでは無理がある、と心の中で大声でツッコんだが、実際にツッコミ入れられる度胸はなく、私は「はい、あります」とだけいい、自分の気持ちを伝えた。
私の話をうんうんと聞いてくれた後、
「お前がやりたいことはわかったけど、ここで俺とやった方がいいぞ」
「世界を平和にするためには、目の前の争いを止めるのと、戦争を止めに行く人がいるだろ。俺は戦争を止めるから、お前は目の前の人を助けたらいいと思う」
と言われた。
例え話飛躍しすぎ。
また時間とって話そうと言われ、その日はそれで終わったが、
土日の休みを挟んで迎えた月曜日、朝一にリーダーにまた呼ばれた。
「俺土日で聞いたことをもう一回じっくり考えた」
「心配はしてるけど、お前が自分で選んだことなら背中を押して応援してあげるべきと思った」
「本当に大丈夫か?今ならきかなかったことにできるぞ」
仕事中一瞬たりとも止まっている時がないほど動き回ってる人が、休みの日に自分ことを考えたと言われただけでなんか泣きそうになった。
「大丈夫です。二言はないです。背中を押してくださって本当にありがとうございます。
退職まで出来ることなんでも最大限の力でやります」と言った。