坊主憎けりゃなんとやら

長く勤めた職場で仲良くしてくれるKさんがいる。

ある日、物凄く怖いけど、私は好きだったお局様が声をかけてきた。

外見が妖怪人間ベムに出てくるベラに激似だったので、ここではベラと呼ぶ。

ベラ「私ね、あなたのことが嫌いなの」

私「え?な、なにかやっちゃってましたか?教えていただければ嬉しいのですが…」

ベラ「ううん、あなたは悪くないの。あなた、Kと仲が良いでしょ?私はKが嫌いなの。Kと仲が良いあなたも嫌いなの。ごめんね」

ここまで綺麗な坊主憎けりゃなんとやらを経験したのもなかなか居ないだろう。

面と向かってハッキリと言うものだから、もうギャグかなって思ってしまった。

私「いやいやいや!坊主憎けりゃじゃないですか!やめてくださいよ!」

ベラ「あはは、ごめんごめん!」


はい、翌日からシカトです。丸二年です。

土産を配るときは、わざわざ私の隣の席の男性職員に渡し、私には背を向けてシカト。

あなたにはありませんアピール。そんなことしなくとも土産はいらん!

リアルに2年間シカトシカト。胃も痛くなったし、吐き気も凄かった。威圧感えげつねぇ。

勤続年数はリーダーや課長より長く、仕事はこなすから誰も文句を言えない。それに恐いし。

ベラのチームが○○班のaチームだとして、○○班のbチームがいないときはaチームが対応する。

私「bチームのお客様からお電話です」

ベラしかいない

私「bチームのお客様からお電話です。お願いします」

ベラフルシカト

私「B!チー!ムの!お客様から!お!で!ん!わ!で!す!」

シカト。

待たせるわけにはいかないから、聞こえる前提で独り言攻撃。

私「私が出ますがミスしてもしりませんからね!」

そこで男性職員が代わってくれた。

もっと早く代われ。

自分の仕事に戻るとき、男性リーダーが隣に来て声をかけられた。

リーダー「なになになになにー?なにがあったのー?」

わかってんだろ、アホか。

リーダー「何かあったー?」

私「はい」

リーダー「もー、なにがあったの?」

私「虫歯が治らなくて長期治療なんです。嫌ですよねぇ」

教えてやるもんか。お前がベラに何で無視したのか聞けよ。

恐いから聞けないくせに。

私は私でやり返した。

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