効率的なプロジェクト管理のための事前準備とルール設定|JBUG京都#1レポート後編
こんにちは、ヌーラボのマコリーヌこと藤本です。
先日、公開したレポートブログ「新入社員オンボーディングと組織成長を支えるBacklog|JBUG京都#1レポート前編」はご覧いただけましたか?
本記事は、2024年5月9日に開催された、BacklogユーザーコミュニティJBUG京都#1 のレポートブログ後編でございます。
当日のセッション内容やイベントの様子、また今後のイベント開催情報についてご紹介します。
本当にあった怖い話 - Backlog編 -
株式会社ビーワークス 田中さんより、「本当にあった怖いBacklog - 最初に決めよう、Backlogの使用ルール」をタイトルに、Backlogでプロジェクト管理をスムーズにするための決めるべきルールについてお話しいただきました。
株式会社ビーワークスさんは、ブランディングやUX/UI設計から媒体を問わない多様なクリエイティブの制作まで、課題解決に貢献するデザイン会社です。
あの “なめこシリーズ” のゲーム開発まで、幅広く事業を展開されています。
プロジェクトの引き継ぎ数日前に起きた悲劇
皆さんの中にも、Backlogで進行されているプロジェクトが移動に伴う引き継ぎや不在時の引き継ぐことがあると思います。
これは、とあるプロジェクトの引き継ぎ数日前の出来事です。そのプロジェクトでは、7割の情報とやり取りはSlackのみで進行しており、情報が散乱していました。また、立ち上げられた課題は1つだけで、経緯やデザイナー各位へのコメントが全て同じ課題にありました。
さらに、プロジェクトには親子課題が存在するものの、粒度が進行に合っておらず、同時に動くタスクが分かれていました。その結果、タスクが細分化されすぎてメンバーが混乱していました。
プロジェクトはすでに中盤に差し掛かっており、情報が散乱している状態でした。このタイミングで情報を中途半端にまとめ直そうとすると、余計な混乱の原因となり、プロジェクトの進行にさらに悪影響を及ぼす可能性がありました。
Backlogを効果的に使いこなすためには事前準備が一番
プロジェクト管理において、Backlogを効果的に活用するためには、事前準備が何よりも重要です。
プロジェクトにあったBacklogの設計を事前に考えておくことで、今回のような混乱を防ぐことができたかもしれません。
インプットと実践、トライ&修正を繰り返す
田中さんは、Backlogのサポートページや活用ガイドを参照し、基本的な操作方法や活用術を学ぶことをお勧めします。さらに、先輩や同僚がどのように課題を立てて管理しているかを観察し、分析することも効果的だと述べられていました。
最初は、自分の日報やノウハウ共有にBacklogを使い、記法や課題機能、Wikiなどを試します。その後、実際のプロジェクトで使ってみながら、使いにくかったら軌道修正し、自分に合った使い方を見つけることができるそうです。
Backlogの機能を十分に理解し、活用することで、プロジェクトの進行をより効果的に管理することが可能になります。事前の計画と準備をしっかり行い、Backlogを最大限に活用してみませんか?
Backlogのボードに拡張機能を追加して業務改善に成功した話
今回は、公募LTにお申込みいただいた虎の穴ラボ株式会社の蓬莱さんによる、Backlogのボードに拡張機能を作成した事例をご紹介します。
蓬莱さんの会社では、元々社内の課題管理にBacklogを活用していましたが、さらにタスク管理もBacklogに集約することにしました。しかし、スクラムで確認していた項目が標準表示では見づらいという問題に直面しました。
追加した四つの機能で業務を改善
蓬莱さんは、以下の四つの機能を追加することで業務の改善を図りました。
予定/実績の合計を表示
各状態ごとに予定と実績の合計を表示し、タスクの多さが許容量内かどうかを一目で確認できるようにしました。これにより、リソースの過不足を迅速に把握し、適切に対応できます。進捗状況で背景色を変える
進捗状況に応じて背景色を変更することで、予定に対する実績を一目で把握できるようにしました。進捗が70%を超えたら背景色を黄色に、予定を超えたら背景色を赤色に変更することで、進捗が遅れているタスクをすぐに視認でき、迅速な対応が可能となります。期限日間近の課題に枠線をつける
期限日が近い課題には枠線をつけて視覚的に注意を促します。期限日まで残り24時間未満の場合は枠線を黄色に、期限日を超えた場合は枠線を赤色にすることで、重要な締め切りを見逃すことなく、適切な優先順位でタスクを処理できます。複数の担当者のフィルター
タスクを振り分ける際に、担当が決まっていない課題や特定の担当者の課題を一覧表示できるようにしました。これにより、各担当者の負担を均等にし、チーム全体のパフォーマンスを向上させることができます。
蓬莱さんは、これらのChrome拡張機能を活用して必要な機能を追加し、Backlogをより効果的に利用できるようになり、移行直後と比べて業務が大幅に改善されました。
気軽なノリで依頼するときこそタスク管理ツールを!
次に株式会社ロフトワーク 木下さんより、「気軽なノリで依頼するときこそタスク管理ツールを!」をタイトルに、Backlogで依頼を起票する方が気をつけるべきことをお話いただきました。
コミュニティマネジメントをしている木下さんは、普段から小さな頼まれごと、タスクが発生するそうです。
STOP✋その依頼の仕方だと忘れます
Slackでタスクを依頼
カレンダーに予定だけを登録(準備が必要そうな依頼)
口頭でちょっとした相談
このようなちょっとした頼みごと、頼んだ方は「これで依頼完了」という気持ちになるかもしれませんが、頼まれた本人は忘れます。
また、実は「ちょっとした頼みごと」でも十分なやり取りや段取りには時間と手間がかかる可能性もあります。
だからこそ、気軽なノリで依頼する時こそタスク管理ツールを使って欲しいと木下さんは述べています。
そして「具体的な実施事項」「担当者」「期日」を設定することで、依頼される側は、必要な情報が手に入り、効果的なタスク管理が実現できるようになります。
「考える」をマネジメントする -Thought Management-
最後に、株式会社ビーワークス 高濱さんより、「考えるをマネジメントする」をタイトルに自分自身で"マネジメント"する方法についてお話しいただきました。
「思考」に使えるのは、自分の「頭の中」だけではなく、「他者」や「体と五感」もあります。
「一人」で考えるとは、思考活動の基本であり、いつでも可能ですが、深く考えるには事前に十分なインプットが必要です。
「他者と共に」に考えるとは、未知の情報を得て、思考の枠を広げられるが、質の良い情報をエルには、対話スキルと関係性作りが必要です。
「頭の中」で考えるとは、思うがまま自由に思考できるが、沼にハマってしまうと、そこから抜け出すのが難しくなることもあります。
「頭の外」で考えるとは、思考の処理効率を高められるが、表面的にもなりやすい。また、ツールの種類によって得意な思考方法や不得意な方法があることも覚えておきましょう。
「体と五感」を使って考えるとは、直感的な「良い気づき」を得られやすいが、身体知や暗黙知を大切にしないと、気づける場面でも無視してしまいます。
「Backlog」は、思考の「ファイリング」
高濱さんは「Backlog」を思考の「ファイリング」と表現しています。
頭の中から情報やタスクを整理して整理し、自分の思考リソースを増やすことができるということです。また、チームの思考とタスクを管理し、他の人に考えを伝えることもできます。
JBUGとは
Backlogのユーザーコミュニティ「JBUG」は、Backlogを活用した仕事の効果的な進め方やタスク管理、チームのコミュニケーションに関する課題や悩みを抱える方々と共に語り合い、悩み解決のヒントやノウハウを学び合う場となっております。
■こんな方におすすめ
他社の事例からBacklogの活用方法を学びたい方
プロジェクト・タスク管理に悩んでいる方
チームコミュニケーションを活性化させたい方
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